2010年11月24日

愛情表現から見るコミュニケーション

私自身は典型的な日本人だし、日本語以外の言語をまったく話せないので、日本語を話せない人と愛を育むなど、想像もできないことだ。けれども、一般に欧米の人はI love youを連発し、愛情表現が豊かだというのはよく言われることだし、きっと国際結婚した夫婦の場合は、愛情表現はかなり違うんだろうな・・・とおぼろげに感じていた。
先日、日本人と結婚し、日本でビジネスを展開しているインドの女性に会う機会があり、「日本人の男性は愛情表現が冷たいでしょう?」と聞いてみたところ、意外なことにその答えはNO!だった。彼女が言うには、「“I love you”など、言おうと思えば思っていなくてもいくらでも言える。日本の人はあまり言葉にしないけれど、日々の態度などで心を感じるから却って愛情の深さを感じる。」と言うのだ。
これは、夫婦という関係だからこその話なのかもしれない。それでも、心のないコミュニケーションなど意味がなく、愛情の安売りにしか映らないのだということを、改めて感じた。
ビジネスの上でも同じなのかもしれない。言葉にしなくては伝わらないことはたくさんる。けれども、心がこもっていなければ、結局は伝わらないに違いないのだ。
蛇足だが、彼女は「今はいいけれど、年をとったら日本には住みたくない。」と言う。日本は老人にやさしくない国だからと。実際、海外を渡り歩いた彼女の両親は、今、日本でもインドでもなく、ニュージーランドに住んでいるそうだ。老人にやさしくない国、日本は、今後どうなっていくのか。国際的にどのように見えていくのだろうか。

2010年11月4日

中国の活況

ビジネスで日本に来た中国からのお客様との会食があった。こちらは5名、先方は3名。先方の3名に加えて、こちら側の2名の合計5名が中国人だ。
こちらの中国人2名と、相手の1名が日本語と中国語を自由に話す。私自身はまったく中国語は話せないし、英語もほとんど無理な状態のドメスティック人間だ。それでも、会食中の中国人はやたら元気でよく話す。食事の場は大変な賑やかさだ。しかも会話のスピードも早い。通訳してもらいながらの会話になるので、話をするのに時間はかかるのだが、それでもスピード感は伝わってきて、話に勢いを感じる。
彼らは「ビジネスは政治よりも進んでいる」とサラリと言いながら、来春以降のビジネスの提案を次々と話題に出し、「日本は1億2000万人、アメリカは3億人、でも中国の人口は13億人だから。」と言う。これが勢いの源だ。
「銀座の土地は上海よりも安くて価値がある」と言う彼らの背景にあるのは、中国では70年後に土地を返還しなくてはならないという現実だ。日本の土地であれば子孫に残すことができるので、価格差以上に価値が高くなるのだ。しかも中国の人たちが土地を買うときはキャッシュで購入する。ローンなど組まない。威勢のいい話で、最近の私の身の回りにはあまりない空気感だ。
会話の端々から感じる中国の進歩は、日本から見たイメージとはかなりかけ離れている。私がイメージしていた中国は、どうやら20~30年前の中国のようだ。ちょっとした話題に「あ~、90年代の話ね・・・」と笑う彼らを見ると、彼らにとって90年代などもはや大昔なことなのがよくわかる。
ちなみに会食の場になった店(銀座のすき焼き屋さん)の仲居さんに話を聞いてみると、現在確かに中国のお客様は多いのだが、それでも2年前に比べればビジネス系のお客様は減ったようで、今はビジネスだけでなく観光で来店するお客様が多くなって生きているのが特徴だそうだ。