2014年10月31日

体験談、ナマの話には説得力がある

先週から短期の塾に通い始めた。
塾生は20名で、今回は4期生になる。
目的はもちろん講師の考えや話を聞くことにあるのだが、そこに集まってくる人たちとの出会いも興味深い。

さて、その塾生同期に東洋医学、日本の伝統食、自然療法、アロマ等をまとめて専門にするセラピストがいる。
私の周りにも薬膳や東洋医学、健康やカラダに精通した人はいるので、似たような話は今までにも聞いたことはあった。
が、彼女の話で興味深かったのは彼女自身の体験だった。

3年間、湿度90%のシンガポールに彼女は住んでいた。
そこから、湿度30%以下のヨーロッパに向かい、約1か月旅行をし、
そこで風邪をひいた(と思った)。なんせ咳が止まらない。
咳はカラ咳なのだがどんどんひどくなる一方で、ひどい咳こみに嘔吐しそうになるほどに。

アロマセラピストだった彼女はそれまで薬を飲んだことはなかったそうだが、
やむなく薬を飲むが治らない。
お医者さんで肺炎の検査をするが異常なし。

そんなとき、彼女の体は東洋医学でいう「金」であることがわかった。
「金」は乾燥がカラダに害をもたらしやすいそうだ。

そこで一切の薬をやめ、ひたすら保湿に心がけたら、だんだん咳がおさまり元気になったのだという。

この乾燥に弱いかどうかはその人次第のことだそうで、誰もが保湿すればいいというわけではない。
人によっては逆の場合もあるし、全く違うところに原因がある場合もある。
この自分のカラダがどういうタイプなのか?・・・ここが問題なのだが、これがわかると、いろいろとコントロールできてよい、というのが彼女の話だった。

この話を聞いて、私もその「自分のカラダ」を知ることができたらいいだろうと思わずにはいられなかった。
聞けば、生年月日から調べるのだそうだ。

ん?!
生年月日?!
そんなもんでわかるのかしら?
正直、そう思った。

彼女と別れたのはその日の夜11時。
帰宅したのは深夜、日付をまたいでいた。
話はそのままになっていたが、それでも気になる気持ちが抑えきれず、私は帰宅後すぐに彼女に自分の生年月日とともに私のカラダについて尋ねるメッセージを送った。

翌日、彼女からメッセージが届いた。
「湿気に注意」と。
驚いた。心当たりがあったのだ。

私はほかの人に比べて極端に湿度に弱かった。
梅雨時穂はいつもフラフラしている。
湿度の高い日本の夏は苦手だが、40度の暑さで友人がぐったりしていたギリシャ旅行では、乾燥しているからケロッとしていた。

彼女の体験を聞いたことが、私に大きな説得力を与えたんだろう。
すぐに聞かずにはいられなかった理由はそれだけではないかもしれないけれど、一般論なんかよりもたった一人の体験、それもリアリティのある体験は、行動を起こさずにはいられない大きな力があるようだ。
リアリティーは強い。
実際に経験したこと、体験したこと・・・現実には大きな説得力がある
それも知らない人の体験話ではなく、本人の口から聞くナマの話だ。

私は彼女からのメッセージで、さらいいろいろ聞きたくなった。
次回の塾で会うのが楽しみである。

2014年10月29日

ブログタイトル、変更しました。

会社を辞めて一人で仕事をするようになってから、名刺の肩書きには悩み続けてきた。

 事務所代表というだけで肩書きなし
 コミュニケーション・スペシャリスト
 i-faceプロデューサー
 ヒキダシスト


私は退職後も前職の延長的な仕事をしていたので、変な肩書きや聞きなれない肩書きを名乗ると、前勤務先や関係者に「なにそれ?」と言われたらどうしようと思う恥ずかしさが払しょくできなかった。

だから曖昧にしておくと、今度は新しく知りあう方に、「ナニしている人ですか?」と大体聞かれる。
そうすると「まあ、広告屋です。」などと照れ半分でごまかすのだが、そうすると相手はデザインする人と思う人もいれば、コピーライターだと思う人もいるし、Web制作の人だと思う人もいる。
話が続けば少しづつ説明していく・・・こんな状況が何年も続いていた。

なんとかしなくちゃ。
そう思っていた。

私は長いこと「いいところ」を探し、見つけて、それを表現するためのお手伝いをする仕事をしてきた。
それは会社のいいところ、商品やサービスのいいところ、人のいいところ・・・。
そう、つまり広告・広報関係の仕事だ。

クライアントである会社は、せっかくいい面を持ちながらもそれが当たり前になると、それを自慢することを忘れてしまうことがある。
商品も、その会社で普通になると、たとえ珍しいくらいの価値があってもなかなかそれにスポットを当てなくなることがある。
外の人だからこそ見える部分がある。
私はそんな仕事をして、約30年になる。

総合広告代理店で、企画~マーケ~営業を25年間経験。
我ながら長くいたと思う(笑)。それは、「いいところ」を探すのが好きだったからだ。
テレビラジオ・新聞・雑誌・Webとオールメディアだけでなく、イベントも経験した。
大きくない会社だったおかげで、仕事は部分ではなく、全体を見渡せた。
経験が長いので、必然的に多種多様のクライアントを担当し、多くの業界を覗き、「いいところ」を探してきた。

でも、広告代理店に「いいところ」を探してもらえるような会社は、絶対数から見れば決して多くない。個人になればほぼ不可能だ。
また、小さな会社の会社ブランドは社長ブランドの場合が多く、会社の価値は社長の「いいところ」とイコールだったりする。
今の私は、そういう小さな規模の「いいところ」探すお手伝いをしている。

そういう方々にいつも申し上げるのが
「自分のことはなかなか見えない、わからない。」ということ。
これは実感である。
なぜなら、そう言っている私自身が、ずっと肩書きに悩んできたのだから。

ずっと悩んでいるだけでは何も変わらない
~そう覚悟して、私は積極的にプロからのアドバイスを乞うようになった。
自分だけで前に進めない時は、外圧に限るからだ。

このヒキダシストという肩書きは、
実は以前からこっそり名乗ってきたものではある。

「思わぬことをズバズバ聞いてきて、ついいろんなことをしゃべらされちゃう」
「あなたと話すと自分を整理できる」
「自分の知らない自分に気づかされる」

無意識に話していて、こう言われることが多かったので、「いいところ」を引き出す人という意味合いで名乗ったものの、そんな肩書き聞いたことないし、「なにそれ?」って言われそうだし、これを乗り越えるには、なかなかの覚悟が必要だった。

そして、ブランディングのプロからも、爆発的読者を持ち多種多様な仕事をする名ブロガーからも、背中を押してもらい・・・

そういうわけで、昨夜からこのブログは
「ヒキダシスト、石崎公子のお仕事ブログ」にタイトルを変更しました。

え? 前はなんていう名前だったっけ?
人は意外と名前なんて覚えていないんですよね(笑)。
まあ、昔のことはいいじゃないですか。



で、何してるの?ということについては、追い追いご紹介していく予定です。
引き続き、どうぞよろしくお願いします。

2014年10月20日

中小企業の方が社員の勤続年数が長い理由と、転職する理由

終身雇用が崩壊したと言われて、どれくらいになるだろう。

私自身は、新卒後ずっと一つの会社、それも大企業ではなく中小企業に勤務し続けた。
バブル崩壊直前にはより高い報酬の話が見え隠れすして次々と同僚が会社辞めたので、会社の中は浮き足だった。私自身も転職を考えたことがないと言えば嘘になるし、同僚が引き抜かれて会社を辞める時には、羨ましい気持ちがなかったとは言えない。

それでも、もし自分が退職するんだったら、それは転職ではなく自分一人で何かする時・・・おぼろげにそう思っていた。
その会社は60年近く前の創業時から男女の給与体系が同じだったこともあり、当時他の会社に比べて確実に女性の未来が明るく見えたことも、女である私には大きかった。

だから私は転職の経験がない。

オールアバウトの特設サイト「国民の決断」で実施した「転職」に関する意識調査は興味深い。

男性の場合、大企業勤務者よりも中小企業勤務者の方が勤続年数が長いのだと言う。
レポートを見ると男性についてのみ記述されているが、男性ほど顕著ではなくても、女性もそういう傾向がある。
(調査はインターネット調査で、対象は20代~50代、男女比も年齢比もほぼ均等)

レポートでは、中小企業では一年未満など短い期間で退職をする人と、10 年以上長く勤める人と、二極化するからではないかと推察しているが、果たしてそうだろうか。

企業にもよるとは思うけれど、働く面白味ややりがい、トップ(や上司)の考え方や情熱等は、大企業よりも中小企業の方が満たされやすいことはないだろうか。
企業が大きくなると、自分が何のためにその仕事をしているのかがわからなかったり、役立っている実感が得にくかったりすることはないだろうか。

中小企業の場合、組織が大きすぎないので、経営陣との接点は持ちやすい。
叶うかどうかは別にしても、希望を伝える機会もある。
叶えたかったら、いろいろな手を尽くす。
仕事の規模が大きすぎないので全体像が見えやすい。
忙しいので、多少経験不足でもどんどん任せてもらえる。
・・・私の場合は、そういうことが当時は比較的満たされていたから、転職を考えることなく、ずっと勤務していたのだと思う。

もちろん中小企業であっても、自分の仕事がどのように成果につながるのかが社員自身にわかりにくかったり、役立っている実感が得にくかったりするような企業も多いので、そういう場合はきっと勤続年数が短くなるのではないだろうか。

転職理由のトップは「給料への不満」。
そりゃあそうだろうが、人の気持ちは複雑怪奇。それだけではないはずだ。
気持ちが満たされているかどうかが、まずは大前提だ。

「給料への不満」の次が、男性は「自身のキャリアアップのため」。
女性は「職場の人間関係」。

結局のところ、転職する理由は未来に希望が持てるかどうかということに尽きると思う。

今の給料への不満があっても、将来の給料に夢が持てれば我慢できる。
人間関係だって、期限付きなら耐えられるのではないか。
「自身のキャリアアップ」などは、まさに未来に向けての話だ。

現在、やりがいがあって仕事に満足していれば転職は比較的考えにくいが、
会社の未来、自分の未来を考えたときに希望が持てるかどうか。
自分の5年後、10年後が描けるかどうか。
産業としての未来が明るいか、仕事の未来は開けているか。
自分のやりたいことができそうかどうか。

社会構造や機械化、IT化が進み、人々の嗜好や価値観の変化は、
今まで以上に速い。
明るいはずの未来が、そうではなくなることだってある。
会社も人も、未来に向けての多様性や柔軟性が益々求められるようになる。

大企業は今まで以上に人がいらなくなるから、大企業を目指すのはいよいよ狭き門だし、終身雇用で運命共同体だった時代は、大企業にいさえすれば安泰だったが、今は大企業だってつぶれないとは限らない。

日本の企業のほとんどは中小企業なのだし、これからの時代はますます中小企業の価値が認められてもいいはずだと思う。
中小企業を盛り上げることこそが、今求められていると思うのである。