2014年6月20日

この年になって、年をとるっていいなあと思えるのよ。

去年から自宅で作業する割合を増やしたせいか、あまりもの運動不足に危機感を感じるようになった。
私の携帯(ガラケー)には万歩計アプリがついている。携帯を持ち歩くだけで1日何歩歩いたか、どれくらいエネルギーを消費したのかが一目瞭然だ。万歩計を携帯する手間もいらず、時々確認する。
かつてはどんなに少なくても5,000歩はクリアしていたのに、この1年は50歩にも満たない日がしばだ。これはさすがにまずいと思い、短時間の筋トレ中心女性専用クラブに入会した。
メンバーはどちらかといえば中高年女性が中心。70代、80代も少なくない。顔見知りになっておしゃべりに興じる人も相当数いるし、きっと仲間作りで来ている人もいるのだろう。
でも私の場合は、まじめに運動不足解消。基礎代謝を上げて筋肉をつけねばと思うので、周りの人ともほとんど喋らず、体を動かしたら即、帰る。
そんな時に、60代と思しきメンバーに声をかけられた。
「来てみてどうですか?変わりましたか?」


「さあ、どうですかね〜。肩こりがへったくらいかしら。」
私は素っ気ない応対をしたところ、彼女は5年以上継続しているという。、
「そう?!それはよかったですね〜。運動すると少しづつ変わりますものね。」
と言い、さらに続けた。

「それに年齢が重ねるとね、だんだん子どものこと、家のこと、親のこと、たくさん抱えていた問題が一つづつクリアになっていくんですよ。
片づいたり、乗り越えられたり、知恵がついたり。
そしてだんだん自分のことを一番に考えられるようになる。
自分の時間も持てるようになる。
これが年をとるってことだなあ、と。
あなたはまだお若いからわからないかもしれないけど、私はこの年になってようやく、年を取るっていいことだなあと、最近しみじみ思うんですよ。」 

若いと言われることなどあまりない私は少し驚いてしまったが、彼女の言葉を聞いて、私も嬉しくなった。
しかもその彼女はとても素敵な顔つきをしていたのだ。

自分より年上の人が活躍するのを見ると元気をもらう、勇気をもらう。
そんなことは前から私が言っていたことでもあるし、わかっていたはずなのに、改めて清々しい思いがした。

それは私がどこか、仕事に偏って考えていたのかもしれない。
特別な人じゃないとそう思えないんじゃないかとどこかで思っていたのかもしれない。
でも普通の主婦として家族のためにずっと生きてきたであろうその人が、そう語ることにこそ、とても価値があるように思えた。
普通に暮らしている普通の人が「年を取るっていいなあ」と思えることはとても幸せなことのはずだ。どんな人からもそういう言葉を聞けるような社会であればいいのに、と改めて思う。


2014年6月13日

今、テレビの影響力はどの程度あるんだろう・・・?!

私が広告代理店でサラリーウーマンをしていたのは、7年前までのことだ。
広告業界で長く仕事をしてきた私から見ると、テレビの影響力は絶大だった。だからクライアントはテレビ広告をやりたいと思うのだろうし、広告屋としても、テレビコマーシャルを提案する。それを獲得するのは、広告マンにとっては大事な仕事の一つだった。
そうは言っても、テレビコマーシャルには莫大な費用がかかるので、ある程度の予算がないと展開することなどできない。展開できても継続的に出稿するには限度がある。
だから番組でも何とか取り上げてもらおうと、あの手この手を使う(=PR企画を練るって)のだ。

今、テレビの影響力はどうなのだろうか。

昨年発行した拙著「失敗しないエンディングノートの書き方」(法研)が発端で、エンディングノートを継続的に書いていく講座を、自ら主催し、4月より開講している。
この講座に、テレビの取材が入った。

今、世の中はエンディングノート講座が人気だと言う。あちこちで開催されている。が、私が行う講座は、相続や葬儀周辺の専門家視点とは少し違うかもしれない。どちらかと言うと、これからの生きかたに焦点を当てている。

私は、生きざまが表れる顔つきへの興味が強く、その究極が遺影だと考えたことからエンディングノートに出会った。改めてエンディングノートの中身を見ると、それは将来のなんとなく不安に感じることが項目になっていた。けれども書こうと思ってすぐに書けるようなものではなかった。
知識がないと書けないし、自分のことがわからないと書けないのだ。
実際、エンディングノートを知っている人の中でも、書いている人はごくわずかだ。

そこで、一緒に、少しづつ、学びながら、エンディングノートを書く講座を、4月にスタートした。
しかも、エンディングノートは、自分らしい生き方を考えるためにも有効なツールであるから、年齢を問わずに始めたら、参加者さんは30代~50代の男女だった。

テレビ取材されたのは、その講座の第2回目だった。



日本テレビ「NEWS ZERO」。板谷由夏さんのLIFEというコーナーだ。

私は、自分自身を考えられることに価値を置いていたが、テレビ局は若い世代が考える終活に注目したようだった。
取り上げられたのは時間にして約2分弱。広告費に換算すれば、驚くばかりの金額に相当する。

放映の翌朝、昔の勤務先同僚から電話をもらった。
「出てたね~、すごい反響でしょう?! 電話で仕事にならないんじゃない?」

現実は・・・・そんなことはない。
電話が鳴りっぱなしということもないし、問い合わせメールが次々入るということもない。
私は比較的交友範囲が広い方だと思うが、放映をきっかけに私に直接連絡をくれた人は、その同僚を含めてほんの数人にすぎなかった。
視聴率から考えれば、きっと見ている人はいるのだろうが、あえて行動しないのかもしれない。

たしかに放映日とその翌日は私のWebサイトのアクセスが若干上がったが、それもSNSを通じて訪れてくれた割合が意外に高かったのも印象的だった。
SNSで私や参加者さんが放映に関連した投稿をしたからだろう。

かつての「AIDMAの法則」が、「AISASの法則」に変わったと言うが、今やAISASも不確かなように思えた。今の時代はさらに情報が溢れかえっており、よっぽどのことがないとアクションすら起こさないのではないだろうか。
それでもSNSのように、知り合いから聞いた話なら見てみようかな、と、軽いアクションを起こす~そんな風に感じたのだが、実際はどうなんだろうか。

それとも、ナショナルブランドの商品、大衆を相手にするマス商品であれば、今の時代もやっぱりテレビは大きな影響力を持つのだろうか。
元広告業界で働いていた者としては、大いに気になるところだ。

2014年5月28日

遺影は選んでおきたいけど準備していない~アンケート調査結果から


2週間ほど前に、フォトブックサービス「MyBook(マイブック)」を展開するアスカネットが、「遺影」に関するアンケート調査の結果を発表した。

http://news.mynavi.jp/news/2014/05/12/076/

「自分の遺影を選んでおきたい」人は約7割。
だけど、「準備している」人はわずか2.2%。
この調査対象は20代から60代が対象なので、年代から考えれば仕方がない結果かもしれない。

都心在住の団塊世代を対象にした別の調査では、2009年には「自分の遺影は過去の写真から自分で選んでおきたい」人は3人に1人だった。
2011年9月には「自分で選ぶ」人は男性50%、女性83%。
東日本大震災を境に、「自分で選ぶ」意識は高まってきたと、当時は強く感じたものだ。

かねてから私は、生きかたや生きざまが表われる人の「顔」に注目してきた。
ある程度の年齢になると、美人が必ずしも魅力的で素敵とは限らなくなる。素敵な人がハンサムとは限らない。逆に、どんなに目鼻立ちが整っていた人でも、その輝きが消えてしまう人も少なくない。
その原因はいったいどこにあるのだろう~そういうことをずっと考えてきた。
それはきっと生き方にあるのだろう。
そういう話をすると、「たしかに」「ある、ある。」「わかる、わかる。」とよく言われるのだから、思い当たる節のある人は多いと思う。

私は、その「顔」の究極が「遺影」だと思うのだ。
「遺影」は、お葬式の場で最も目立っている(と思う)し、亡くなった後も残るし、その写真は遺族の心を癒すこともある。言われた言葉を思い出させてくれることもある。
だからとても大事なものであるはずだ。

その「遺影」を選んでおきたいと思う人が、増えてきたようだ。
でも思うだけで、残念ながら準備している人は多くない。いくら思っていても、実行していなければ叶うことがない。

「いい遺影が残せてよかった。」
「この写真のおかげで・・・」
そういう声は、実際しばしば耳にする。

今回のアスカネットの調査では、その遺影の希望は「普段着で笑顔の遺影」が56.8%と過半数を占め、「好きな場所で撮った遺影」(24.6%)、「趣味の物を持つなど自分らしさの出ている遺影」(13.3%)などが上位にある。昔よく見かけた「正装で真顔の遺影」を希望するのはわずか5.1%だったという。
望ましいことだ。遺族にとってもその方がいいに違いない。
「その時」はいつやってくるか、実のところはわからない。思うだけで実行していなければ、「いざというその時」に、その思いは叶わないし、まわりの悲しみも深い。

たしかにこの数年で「遺影」に対する考え方や意識は大きく変わった。
「準備している」人が半分を超えるのは、果たして何年後になるだろう。


2014年3月30日

先輩を見ながら生きること

若い世代が多い会社に勤め、若手社員の面倒をよく見ていた30代の女性が、幅広い世代が勤務する会社に転職した。


「今までずっと、お姉さん的になっていましたが、
転職したら周りは、年齢的にも、仕事上のスキルも、私より上の方がほとんど。
魅力的な先輩方に囲まれて、日々刺激を受けています。」

「女性が多い職場ですが、家庭や子育てと両立している方も多く、
自分自身の将来像をイメージしやすいというか、安心感があります。」

理想の先輩像が身近にあるというのは、こんなにも働きやすいことなのか。
我ながら驚いています。」

自分の5年後、10年後、20年後、30年後を考えてみるのは難しい。
イメージしようとしてもなかなかイメージしにくいものだ。
けれども、諸先輩を見ることで描きやすくなる。

●●さんのようになりたい。

●●さんよりも、もう少し××になりたい。

自分の目指すイメージに近い人がいると、自分の将来に希望が持てる。部分的に真似てみようとしたり、相談したりして、モチベーションアップにもつながる。

だから、年長者がカッコよく見えること、素敵であることが大事だと思うのだ。
年長者はカッコよくあってほしい。素敵であってほしい。
たとえ何歳になっても。

それは働き方であってもいいし、地域とのつながり方であってもいいし、遊び方であってもいいし、暮らし方であってもいいし、どんな形でもいい。

働き方も、暮らし方も、生き方も、心地よい形は人それぞれ。みんな違うので、その形はいろいろであっていい。
なんにせよ、先輩の「素敵」を見せることは、将来への希望につながると思うのである。

だから私は、40歳以上の「素敵」作りにこだわるし、関わっていきたいのだ。
それはきっと社会を元気にすることにつながるから。

今、私は、60代、70代、80代、それ以上の年長者の“素敵”に接すると、とても大きな力をもらえる。
自分より若い人の言葉や姿にいくら尊敬や憧れを抱くことがあっても、それは自分の将来像とは重ねにくいせいか、どこか自分とは違う他人事になっているのかもしれない。

先輩の姿、様子を見てああいう風になりたい・・・そう思えると、勇気が出る。
失敗を恐れずに前に進もうと思える。
それは、いくつになっても遅すぎないよ、と言ってもらっているような気がするのかもしれない。
【過去のブログ記事から】

たかが年齢、されど年齢。でも年を重ねるのは素敵だ。

エンディングノート継続講座を開講します。

2014年3月21日

開催報告「40代50代のための、エンディングノート講座」


3月19日、「40代50代のための、エンディングノート講座」を開催した。
今、エンディングノートに関するセミナーはあちこちで開かれているが、おそらくこういう年代に限った講座は、他ではないと思う。



エンディングノートを書くということは人生を見通すことにつながる。
エンディングノートは終活ツールとよく言われるが、エンディングだけでなく、
自分の生き方を考える棚卸しツールにもなる。
だから世代問わず、あらゆる人にとって有効なはずなのだが、どんなタイミングで書くかによって、その考え方や、書き方が変わってくるはずだ。
そこで、エンディングノートセミナーによく来られるような対象とは違う、少し若い世代のためのエンディングノート講座を開催した。
少人数で、お茶を飲みながら、お菓子を食べながらのリラックスした雰囲気の中でテーブルを囲んで・・・・

参加者からいただいた感想をご紹介します。


「石崎さんのセミナーに参加するたびに、自分が何を求めているのかを考える。今の自分自身を見直すきっかけになる。いろいろなことに興味がある中で、これからどういう風にして行こうかというのが見えてくる。」

「エンディングを考えることは、生きることを考えることなのですね。」

「なるべく早くからエンディングを考えることは大事だと思う。せっかくやりたいことは、少しでも早くに人生を見通して進めていけた方がいい。年代を区切ったこのようなテーマがよかった。」

「今回初めてエンディングの話を初めて聞いた。本屋さんでエンディングノートを立ち読みしたことはあるけど、これは書けないと思った。でも、今日のように、自分の今までのことを掘り下げて振り返って、そこから考えていく~というのがよかった。」

「石崎さんのセミナーに来ると、いつも、自分が忘れていた“好きだったこと”を思い出し、はっとする。」

ご参加くださったみなさま、どうもありがとうございました。



さて、終了後、参加者さんより、

・エンディングノートは、書けと言われたからと言ってそうそうかけるわけじゃない。

・どういう風に書けばいいか、アドバイスがあって初めて、書けないことも書けるようになる。

・書こうと思っても思うだけ、買っておいて置いておくだけで終わりになってしまいがち。

というお話が出てきました。

そういう方々のために、毎月少しづつ、一緒に書いていく、エンディングノートの継続講座が始まります。
こちらのブログでもご紹介したように、4月開講です。

詳しくはこちら

エンディングノートを書いてみたい方、
自分の人生を見直したい方、
自分について再確認したい方、
・・・・世代を問わず、お待ちしています。