2010年4月7日

同窓会気分

テレビ局や新聞社などが企画・招聘する世界的なイベントは多い。
著名なところでは「シルク・ドゥ・ソレイユ」の「コルテオ」。フジテレビが企画招聘していて、ダイハツが協賛している。
このようなイベントは、実際の運営にあたっては券売だけでは営業的に難しく、協賛をつけなくてはならない。協賛候補の企業にとっては、イベント協賛で直接的な売上アップを望むことはありえないし、協賛企業を募る営業は大変だ。イメージアップや知名度アップ、士気高揚や取引先への感謝などが、その目的にはなるが、今のような時代は特に厳しくなっている。イベントは、メジャーなものからマイナーなものまであるが、ほぼ定期的に日本にやってくるイベントもあるが、協賛企業は必ずしも毎回同じではない。 つまり、毎回協賛企業を募る営業活動がされているわけだ。
結果的には、そのイベントを応援したいという心意気(企業トップがそのイベントや芸術が好きなどを含む)に加え、周年事業など、何か企業にとって協賛するきっかけも、必要になってきたりすることも多い。
数年前に、テレビ局が企画招聘したあるイベントについて協賛プロモートを行い、クライアントが、当時全国10都市での公演に協賛した。そのイベントは、翌年以降は別の企業が協賛し、公演する都市は減ったものの、今でも定期的に公演が行われている、もはや恒例イベントだ。
先日、かつて協賛したクライアント企業の方々とともに、その公演を見に行った。公演内容はリニューアルされながらも、プログラムの基本線は変わらない形で構成されており、固定ファンをつかみ続ける理由が納得できる。お決まりな感じは、私たちにとっては懐かしさを誘い、協賛していた頃を彷彿させるものだった。
鑑賞後には当時のテレビ局イベント担当者、広告会社、協賛していたクライアント企業の方等そろっての軽い会食。今回の公演が当時に比べてどう違うか、当時の苦労や楽しかったことなどを思い思いに語るなど、同窓会気分だ。
イベント協賛というのは、そのイベントへの思い入れなどを育て上げていくプロセスがある。即効性はなく、コストパフォーマンスを問うには厳しい現実など、通常のプロモーションとは比べるには無理がある。企業にとってのイベント協賛の効果、価値は、消費者が主対象というよりはむしろ、インナープロモーションの側面が大きいと思う。関係企業や取引先、その担当窓口になる社員、ひては全社員やその家族。
さらに私たちにとっては、それが協賛後数年たってもこの公演がきっかけで当時の気持ちに戻れるわけで、それはまさに同窓会。そのクライアントとはイベント協賛後も日常の仕事は継続しているのだが、日常とは違う「同窓会」によって、クライアントとのリレーションを再確認できたりもするのだ。