2010年8月9日

専門用語

メールやインターネットはもはやインフラなので、ビジネス上なくてはならないものであるのは、間違いないのだが、Web系業界の人と打ち合わせをする場面で、私はしばしば苦しくなる。(すべてのWeb業界の人と言うわけではないので、誤解のなきように)
なぜなら、彼らはまず話し方がそっけない(感じがする)。私から見るとロボットのようだ。そして会話の中にはWeb系用語が頻繁に飛び出すので、言葉の理解ができない私は質問を連発する。質問すれば彼らは丁寧に教えてくれるが、どうも「あなたのITリテラシーが低く、困ったもんだ」と思われているような空気を感じるのだ。
それは、多少被害妄想なのかもしれないが、私自身が自分の無知を恥ずかしく思っているコンプレックスや自己嫌悪がベースにあることも大きく影響しているのだと思う。
かつて広告業界は「ギョーカイ」と呼ばれ、仕事の場面以外でも専門用語を得意げに使って話す人がたくさんいた。バブル時代には、クライアントに対して説明しながら、「そんなことも知らないの?」「わからないなら、黙って我々に任せておけばいいのだ」という空気を醸し出しながら仕事をしていた人も少なくなかった。
どこの業界でもそうだと思うが、その業界で日常的に使う用語が、他の業界でも同様に理解されるとは限らない。しかし仕事を発注、受注する上では、用語はわからなくとも、意思疎通ができ、理解できなければ、本来仕事として成立しない。場合によっては、自分の知らない業界用語も覚えながら進めなくてはならないこともあるだろう。だから、相手にわかりにくい言葉は理解できるように説明しながら進めるのは、ビジネスをするうえで当たり前のことだ。
私の発していた言葉は相手に理解してもらえる言葉であっただろうか。そのつもりはなくても、専門用語で相手を煙に巻くようなことはなかっただろうか。
Web業界の人たちと接すると、長年広告業界で仕事をしていたころを振り返って、私は今さらながら反省するのである。そして、改めて言葉の意味や重みを常に感じながら仕事をしていきたいものだと思う。