2011年6月6日

大地震が教えてくれたこと

東北から帰ってきて、1週間が経過した。
不思議なことに、今、私は仕事に対する意欲が上がっていることに気づいた。ルーティンワークではなく、新しいことを手がけよう、という気持ちが特に上がっていた。東北に行き、見たことや感じたこと、そして東北の人たちの言葉を聞いたことが、私の気分を少し変えたのだと思う。
パワーをもらうとか、パワーを上げる、とか言う言葉はもはや言い古された感じがしてあまり使いたくないのだが、それでも私は、東北からパワーをもらってきたのは間違いないようだ。
さて、私は東京に戻ってきてからは、ここのところあまり会っていなかった人と、会うようにしてきた。私自身の仕事が少し落ち着いたこともあり、意識的に情報交換がてら会うようにしているのだ。
あくまでも仕事のつながりがある人との情報交換ではあるが、震災や原発事故の話題に触れる中で、自然と家族の話が出てくることが多くなったように思う。特に子どもの話や、出産の話などがちらちらと出てくる。
震災や原発事故をきっかけに、私たちはいろいろなことに気づいてしまったからだと思う。人は一人では生きていくのは大変だということ、誰でも絆を大事にしたいという気持ちがあること、実は今までの歴史がいろいろなことを教えてくれていたこと、私たちは今の現実からの教訓を次の世代に伝えていく必要があること、効率優先のあまりに心を無視してはいけないこと、などなど。
今の時代、両親と子供二人、というような「普通の家庭」は今や普通ではないくらい少なくなったけれど、それでも社会を構成する最小単位は、やはり家族だ。その家族の重要性を再認識させられ、自然と家族の話題が多くなっていくのだろう。東北では現実に結婚が増えているという。
さらに、原発事故の影響から来る放射性物質の問題。長い時間がたった後で放射性物質の悪影響が出る可能性が高いから、特に子どもへの心配が大きくなる。目に見えないから不安や恐怖は益々大きくなり、疑心暗鬼になり、周りの人に話したくなっていく。
だから、仕事に関わる話であったとしても家族の話題が前よりも増えてくるのだろう。
震災は本当に大変なことであったのは間違いなけれど、いろいろなことを教えてくれたし、私にチカラも与えてくれた。これを本当に無駄にしてはいけない、と今、私は何度も自分に言い聞かせている。
さあ、私も前に向かって進みます。これからの仕事を、見ていてください。