2011年12月6日

心を寄せる

昨年末以来、水産関係の食べ物に関する実用書の仕事に関わっていたこともあって、私は5月に被災地訪れている。その際、記録の意味から多少のスナップを撮ってきた。仕事関係や友人などの間で震災の話題になる時にはその時の話をしたり、写真を見せたりしていたところ、思わぬところでその写真を使っていただくことになった。
それは、静岡県の「第32回森町民文化祭」(10月22・23日)「第7回菊川市文化祭」(11月5・6日)だった。どちらも町(市)の文化協会・教育委員会主催の文化事業イベントだ。
そのイベントで、地域の子ども~大人までを対象にした「渡辺バレエ教室」が、演目「LIFE・手をとりあって~希望・そして生命のDANCE~」を発表したのだが、その演目内舞台フィナーレで震災のスライド紹介をした際に、そのスライドの一部で、私が撮影してきた写真がお役に立てたのだ。このバレエ教室では、震災直後から発表会と合わせて被災地への募金活動をしてきた地域の教室でもある。


地域の人々からは賛同を得て、森町では震災募金活動のお手伝いもできたとうかがい、想定外な形でお役に立てたことを嬉しく思っている。
東日本大震災から、早くも9カ月がたとうとしている。
被災地の方々にとっては、まだまだ大変で厳しい状況は続いている。むしろ、人々の関心が薄れつつあるこれからの方が、いろいろな意味で大変になっていくことだろう。
パフォーマンスや写真(スライド)、映像などは、一目でわかりやすい力を持っている。
こういう形で心を寄せ、継続すること、それも地域住民などのように小さな単位で少しづつ進めて行くことに、改めて私は今、価値を感じている。

今回、上記をこのブログに書いてもいいかどうかについて渡辺バレエ教室に相談したところ、「一番大切なことは、何らかの形で震災に心を寄せてもらえる機会が作れること」という答えが返ってきた。
渡辺バレエ教室と私をつないでくれた人も、「静岡は東日本大震災の前から東海地震の危険が言われていることに加え、浜岡の原発問題を抱えてもいるので、今回の災害を風化させるわけにはいかないのです」と力説された。
そういう一般の人たちの気持ちや声の小さな蓄積が、いろいろなことを変える社会へと、今、少しづつ動いているような気がする。