2015年2月23日

経験は資産か?垢か? 定年が見えてくる還暦間近は、強気になったり、弱気になったり。

定年したサラリーマンには、マンションの自治会長というポジションが人気なのだそうだ。
定年して家にいると肩書がなくなるが、マンションの自治会長という方が気が得られるから。

だけどそうやって自治会長になると、いきなり威張り始めて、
場合によっては一緒に役員をやっている人、それも細々と動きがいい女性に対して、「○○君」なんて呼ぶようになり、一気に総スカンになってしまうのだとか。

偉かったサラリーマン根性丸出しだ。

でも、それを聞いて私も笑ってなどいられない。
私は偉くなどなかったけれど、その男性と同じずっと長く働いてきた。
心は意外に定年男性サラリーマンとあまり変わらないような気がする。

今までいろいろ経験してきた。
苦しいこと、つらいことをいっぱい乗り越えてきた。多少の自負もある。
それは自分にとって、大きな資産のはずだ、と思ってきた。

しかし最近、その資産がもしかしたら垢になってるのかも、と思うことがある。

偉かったサラリーマン根性丸出しの男性諸君も、
きっと苦しいこと、つらいことをいっぱい乗り越え、自負もあって・・・・。
だけど、それが資産ではなく、垢になっていることに気づかなかったのかもしれない。

最近、ずっと専業主婦をやってきた女性を見ると、
そのしなやかさに私は頭を垂れる思いがあるのだ。

自分のことよりも子どものため、夫のためにいろんなことに振り回され続けてきて、
だからかわし方が身についている。
変なこだわりがなく、自分の気持ちの収め方を知っている。
・・・専業主婦だった人は、私から見てそういう風に見える。

親が高齢になり、弱ってきたから、私はいろいろと段取りを組む。
会社員時代は、どれだけ段取りを組んでおくか、事前に手を打てるか、が
仕事の半分以上を占めていたと言っても過言ではない。
だから、同じようにしようとするのだが、親は仕事とは違って
ちっとも段取り通りにはいかない。
すぐに事情が変わる。
そういう時、段取った私は内心イライラするけど、
専業主婦が長かった妹は、仕方ないね~とケロッとしている。

そういう時、私は長く仕事をしてきたことが災いしてるのかな、とふと感じることがある。
女性目線、オンナの気持ちがわかることを強みに働いていた時期もあったのに、
私のココロは意外にオヤジそのもの、なのかも?!

自分のことは自分ではなかなかよくわからない。

会社の中で偉くしているうちはいいけれど、だんだんと先が見えてきて今までの経験をふり返ると、強気になったり、弱気になったり。
そして、自分の道を迷走するのである。
長く仕事をしてきた人の還暦間近というのは、たぶん、男も女も、ビミョーなお年頃である。