2015年7月21日

「シニア男性の引きこもり」から気づく、心がけのポイント

素敵な人生の先輩がいると、元気が出る。

 こんなことやっている先輩がいるのか。
 先輩はこんなふうに考え、見ているのか。

そういうことを知ると、自分はまだまだだと思うことがある。
自分のこれからをもっと考えたくなることもある。
そして、自分のこれからの可能性を感じられる。
・・・そんなことはないだろうか。

シニア向けのiPad講習を展開する山根さん。


現在80歳だそうだが、今の活動、それまでの活動をうかがうと、元気が出る。
そんなことを以前書かせてもらったが、その山根さんに同世代の男性についての話を聞いた。

山根さんによれば、男性が会社を卒業して失うものは次の三つなのだそうだ。

 ① 行くところ
 ② 会う人
 ③ やること

そして、そんなことは彼ら自身もちゃんとわかっている。
だから地域デビューを目論むわけだが・・・

山根さんに同世代の男性について聞いてみたら、暗い顔になった。

 女性は失うものがないから遠慮しないでしょう?
 リタイアした男性に向かって、「そんなこともできないの」とか平気で言うから。。。

 今まで会社と家の往復だけで、
 仕事関係以外のつきあいがほとんどなかった男性は、
 そんなことちょっと言われるだけで、ものすごく傷つくんですよ。

え?!
女性はそんなこと言いますか。

 例え言葉で言われなくたって、
 そう思われていることくらい敏感に察知しますよ。

 だって会社では上司や周りがどう自分を見ているかを察知する訓練を
 ずっとしてきたのだから。
 そういう気持ちは敏感に察知します。
 これが、シニア男性の地域デビューの悲哀。

たしかに、女性の言葉は無邪気なおしゃべりで容赦ない、かもしれない。

地域活動では、女性は男性に肉体労働やアッシー(車の送り迎え)を求めていることが多いのだそうだ。
だけど当の男性は地域に知的労働を提供するつもりで張り切ってデビューする。
だが、女性は知的なことなどほぼ期待していない。
完全に需要と供給のミスマッチである。

無力感を感じた男性は自分が社会から必要とされていないと感じ、
引きこもってしまうのだという。
あえなく挫折してしまうのだ。

私は男性じゃないけれど、ずっと男性中心の会社社会で生きてきたから
わからなくもない。

そうならないようにするにはどうしたらいいのでしょう?
山根さんはどうしてそうならなかったんでしょう?

 ときどきイヤなババア、イヤなジジイを見かけるでしょう?
 そういう風になりたくない。

それが山根さんの動機づけなのだと言う。

 若者は頭に投資、中年になったらカラダに投資、シニアになったら心に投資、

なんだそうで・・・。
まずい、まずい。
自分自身を省みると、頭にも、カラダにも投資をしてこなかった。
これから心に投資、か。
心に投資ってなんだろう。
心に余裕をもつこと、穏やかであること、心を強く持つこと・・・

そういう山根さんが今、大事にしていることは「四つの気」。
「四つの気」とは、元気、やる気、思う気、根気。

思う気とは思いやる気持ち、という意味合いなのだそうだが、
この「思う気」が、心に投資することにつながると思えた。

この四つの気、
実は今から約50年前、小学生の息子さんの授業参観に行ったときに壁に貼ってあった言葉だそうだ。
いい言葉だなと思って、それ以来ずっと大事にしてきたと言うが、
まさに! 
子どもよりも大人こそが、大事にしたい心がけのポイントである。

2015年7月17日

証明書用の顔写真、どんな写真にしたい? どれくらい気にしますか?

10月には割り振られる12桁のマイナンバー、年明け1月にはマイナンバーカードへの引き換えと運用が始まる。


マイナンバーのキャラクター、マイナちゃん(内閣府のホームページより)

よくよく聞いてみれば、マイナンバーカードには写真が入るという。
その写真が入る仕組みってどうなってるんだろう。
どこで撮られるのかな。

私は、
生き方が顔に出るからブランディングにもそういう顔つきを生かしましょう
と提唱しているので、日常的に人のプロフィール写真が気になる人だ。
ときにはブランディングと合わせて、
プロフィール写真の使い方アドバイスや撮影プロデュースもする。
(自分のプロフィール写真についてはこの際棚に上げとく)

そんなこともあって、写真が入るというマイナンバーカードが気になり、
7月10日に、マイナンバーとは何か、気をつけるべきことは何かについて教えてもらうセミナーを自ら主催して開催したばかりだ。

それによると、マイナンバーカードを手に入れるまでの流れはこうだ。

1)個人ごとに割り振られた12桁のマイナンバーが、10月に住民票がある場所に書類と共に郵送されてくる。

2)書類に必要事項を書いて、写真を同封して返送する。

3)1月になったら、できあがったカードを区役所(町村役場)に取りに行く。

4)大人の場合は、10年間そのカードが有効になりそうだ。

むむむ?!
写真は、運転免許証のように、カード発行手続き段階でどこかで撮影されるものと思いこんでいたが、そうではなく自分で用意して郵送するのだ。

運転免許証の場合は免許センターでアッと言う間に撮影されるものだけど、
マイナンバーカードの写真は自分で用意する。
果たしてどんな写真を用意するだろう。
どの写真にしようかと、どの程度気にするだろうか。

気になるのは使用期間。10年有効となると、結構長い。

流れとしては、パスポートに近いけど、
パスポートよりは使いそうな気がする(度々海外に行く人でない限りは)。

カードのオモテ面に写真が入る。
こちら側は、いわば身分証明用のだ。
肝心の12けた番号は、裏面に入る。
だから、12けた番号はむやみに人に教えないほうがいい、というわけ。

さて、そのカードを何に使うかと言えば、今のところは以下の三つだけ。

1)社会保障
2)税
3)災害対策

これが将来的にどんどん拡大しそう、というのが
マイナンバーについてなんとな~くイヤな感じがするモトです。。。

こういうマイナンバーカードの肝心の写真だけど・・・・
う~ん、どんな写真にするか、みんな気にするかなあ。

だって、その写真入りのマイナンバーカード、
大人の場合は10年使用すると言うのだから。やっぱり気にはなるかも。

10年後に嬉しくなるくらい若作りしちゃおう!とか、
多少微笑んだ写真にしちゃおう!とか、思うのかなあ。

街中にある、児童の証明書写真ボックスに入ってサクッと撮るのかなあ。
それとも、お友達や家族同士で撮ったりするのかなあ。
それとも写真屋さんに撮ってもらったりするのかなあ。

そもそもわざわざ写真撮ったりなんかせず、今ある写真から探すのかなあ。
今やデジカメだから、昔のデータを見ながらどうしようかなあって?!

マイナンバーカード、実はここが私の知りたいところ。

え~っ?!そこ~?!

そんな声が聞こえてきそうですが・・・、すみません。
もちろん制度自体もすごく気にはなるのですが(汗)。

個人情報にナーバスになりながらも、個人ブランドが重視され、
どんどん増える個人事業主はプロフィール写真に気を遣い、
一般の人でもfacebookなどのSNSでは自分の顔写真を出すのが普通になり、
モデルさんのようにメイクして、
本人とはわからないくらいにきれいに化けたプロフィール写真までが横行する
今の時代。
自分の顔や見られ方を気にする人は、今、とても増えている。

その時、マイナンバーカードの写真はどうなるだろう?!
人はどうするだろう?!

私自身は、「顔」「顔つき」にこだわりがある人だけれど、
マイナンバーカードについては、どうでもいいと思っている。

今回開催したマイナンバーセミナー参加者からも、

証明写真というのは、
写りが悪いぐらいでちょうどいいという思い込みがあります。
あんまり素敵な笑顔でもヘンというか。

というメールをくれた方がいらっしゃいました。

だけど、もしも急に亡くなって写真が必要になって急いで探さなくてはいけなくなったとき、なかなか写真が見つからなかったら。マイナンバーカードの写真が使われる可能性はある。
例えば、お葬儀で遺影用写真を探しておてなかなか見つからないとき、
きっとマイナンバーカードから加工されるに違いない(今までは運転免許証だ)。

でも、本来マイナンバーカードの写真は身分証明の役割。
身分証明とは違う用途で使いたい顔写真だったら、
マイナンバーカードとは別の写真をすぐにわかるようにしておけばいいだけの話なんだけどね。

身分証明と自己紹介、プロフィールはやっぱりちょっと意味合いが違うと思う。
でもちょうどいい機会だから、兼ねようと思うのも十分ありだけど。

さて、あなたはこの機会に、自分のお気イ入り写真を撮りますか?



2015年7月15日

自分が知りたいと思うことは、自分以外にも知りたいと思う人がいる。~マイナンバー制度のセミナーを開催してみて

まだまだ先だと思っていたけど、10月には個人ごとに割り振られた12桁のマイナンバーが郵送されてくるそうだ。
そして年明け1月にはマイナンバーの運用が始まる。

何のカードなのか、どんなふうに使われるカードなのか。
自分自身がそれによってどんな影響を受けるのか、受けないのか、
もうすぐ始まるというのに、私はまったくわかっていなかった。

周りに聞いてみると、大企業ではそろそろ対策を考えようとはしているけれど、具体的にどうやって対策するか、まだ会社としても明確な方針が決まっていないところが多いようだった。
それでも、会社によっては、専門家に相談したり、会社として研修を発注したり、少しづつ動き始めている。
ときどき、自治体(やその関係団体)が一般市民ために基礎的な説明会を開いているところもあると聞くが、私の周りにはあまり見つけられない。

こういう国の新しい動きがある時、
小さな会社や個人事業主は、自ら動かないと、情報から取り残されてしまいがちなんだなあ。

私は、個人事業主としても、また一般市民としても、基礎的なことをちゃんと知りたい、と思った。
総務省のサイトを見る、資料を読む、本を読む・・・いろんな方法があるだろうけど、
私の場合は、
まずはわかりやすく話してくれる人から、その人の言葉で、教えてもらいたい。

そうすれば、自分にとって大事なこと、どうでもいいことなどがなんとなくわかる。
そういうことをまず整理した上で、サイトを見る、資料を読む、本を読む
・・・・この方がはるかに理解が進むし、結果的に学びの時短にもなる。
・・・・そう思う人は、きっと他にもいるのではないか?

そう思って、自ら企画し、開催したのがセミナー「マイナンバー制度を知る」だった。

話を聞くんだったら、
できれば企業にマイナンバー対策を提供しているような専門家さんから、
できれば専門家であってもわかりやすく説明してくれる人から、
~それが私の望みだった。

そこで社労士の田邊雅子さんに声をかけ、説得し、無理を承知でお願いし、
快諾いただいて、今回のセミナーが実現した。


私は、マイナンバーとは何か、気をつけるべきことは何かについて、体系的に話を聞ける機会を作りたかった。

いざ当日、私が知りたいと思ったように、ほかにも知りたいと思う方が多数おられたようで、
今回、大勢の方においでいただき、どうもありがとうございました。

せっかくの機会なので、もしも知りたい方がいらっしゃればご一緒に、と思い、
Facebookを中心に呼びかけてみたが、私と直接つながりがない参加者が3割。
個人事業主の方に、という切り口で呼びかけたが、フタを開けてみれば総務人事系部署に属する会社員の参加が半分。
個人事業主は確かに多かったとはいえ、副業や予備軍の人たちも、実は会社員でもあった。

セミナーでは話の途中でも次々と質問が飛び出した。
中には、今の国の進め方への不満までが飛び出した。
私も一番後ろの席から、他の参加者と同様に挙手していろいろ質問させてもらった。
講師には、その質問一つ一つに丁寧に答えてもらった。
参加者からの質問に対して、別の参加者が自らの法律関係知識をもとに回答を話すような場面もあり、参加者の関心の高さがうかがえた。

とは言え、実際には不確定要素もあり、まだまだ国の動き、自治体の動きをにらみながら、というところも多そうである。

私自身が講師としてセミナーをやるのではなく、
今回のように、私がテーマを考え、その内容の専門家を検討し、私から直接ご本人にお願いする形での開催を、私は時々企画している。
そこには、私自身がその方のお話を聞きたいからという思いももちろんあるのだが、
せっかくならこの人の話をほかの方にもお聞かせしたい、という思いがある。

そういう形で開催すると、
「石崎さんが選んだ講師らしい人だね。わかりやすかった。」
「こういう話をする人をよく呼んできたね。」
「石崎さんも参加者と一緒になって質問するんですね。」
と言われることが多い。
今回も同じような感想をいただき概ね好評に終了できて、ホッとしている。
講師をお引き受けくださった田邊雅子さんのおかげだ。

講師の
我々国民がどうリテラシーを上げていくかが課題だ、
という言葉は、大いにうなづけるところ。
どんなことも人任せにできない、すべては自分のリテラシー、という時代に入ったことを改めて実感するのである。


参加者の方が、ブログで参加報告を書いてくれました。
セミナーで教えてもらった内容が書かれています。ご参考まで。

カッキーの『めざせ♪オモロウゴ』
http://ameblo.jp/86077739/entry-12049109598.html

2015年7月13日

もしも今、離れて暮らす親が認知症と診断されたとしたら?

離れて暮らす親が認知症と診断された。どうしよう?!

最近、実際にそういう場面に直面した方から相談を受ける機会が増えた。


著名芸能人が認知症だと公表される、著名芸能人が認知症家族の介護を告白する、NHKが認知症キャンペーンを行う・・・

超高齢化社会を迎えるという報道のおかげで、もはや「認知症」という言葉を知らない人はいない。

自分の物忘れが度重なると、自分が認知症になってしまったのかしらとビクビクする。それは認知症になったらどうしようと思っているから。いつのまにか私たちは認知症が怖いと思って知らず知らすにドキドキしている。

認知症とはどういう病気なのか、私たちはいったい何を知っているのだろう。なぜ怖いものと思っているんだろう?

 認知症にはいろんな種類がある。 頭をぶつけて脳に血液が溜まって認知症のような症状になるタイプもあるが、  それなら手術で血液を取り除けば治ることもある。 実は認知症の症状というのは、 誰にでも共通する中核症状と、必ずしも出るかどうかは人による周辺症状がある。 イメージしがちな暴言・暴力や徘徊、食行動異常などは周辺症状だ。

・・・ケアマネージャーで介護支援専門員でもある人の話を聞くと、自分がイメージ先行で怖いと思いこんでいることに、改めて気づくのだ。経済的にも精神的にも厳しい雰囲気や、暴言・暴力や徘徊、行動異常などの映像は、テレビ的にセンセーショナルだし、見る側にとっても印象に残りやすいのだ。でもそれは中核症状ではなく、周辺症状だ。つまり誰もがそうなるわけではない。

まだ何もないのに「怖い」のは「知らない」から、だ。どういう病気なのか。そうなったら、どんな助けがあるのか。その助けが欲しければどうしたらいいのか。そういうこと一つ一つを、ほとんどの人が介護などに直面するまで知らない。

地方に親が離れて暮らしているという40代男性(会社員)が母親が認知症と診断を受け、すぐに会社を辞めて故郷に帰らねばと相談に来たケース。その母親がどんな種類の認知症なのか、どこでそれがわかったのか、どうやってわかったのか、今のカラダの状態など、40代男性(会社員)は、オロオロしているわりには何も知らなかったという。そのお母さんについてさらに聞けば、4点杖を使って外出しているご様子だ。

それなら、介護保険を利用していることはほぼ間違いないでしょう。

介護保険を使ってれば、ケアマネが介在している。この場合にやるべきことは、退職することよりもケアマネと連絡をとることだ。家族が離れて暮らすことは少なくないので、ケアマネは、離れた家族からの連絡にも慣れている。離れた家族からの「助けて」に、提案をくれることもある。どこに「助けて」と言えばいいかがわかれば、少しだけど安心が増える。
そういう一つ一つの積み重ねを大事にしていきたい。

私が去年の4月から始めたエンディングノート講座

エンディングノートの中身は人生を考えることそのものなので、
エンディングノートを使って自分の人生を考えてみる。
親のことを考えてみる。

「老いじたく」ではなく「どう生きるかを考える」ための講座である。
毎回エンディングノートの項目をテーマに設定し、実際に考えたり書いたりして進めて行く継続講座だ。

もしも今、親(配偶者)が認知症と診断されたとしたら?

これが継続講座の今月のテーマだった。
のテーマに、参加者の一人は「途方にくれる」と答えた。

今回講座では、ケアマネで介護支援相談員の人を講師に招き、話を聞かせてもらった。

テレビは怖いことばかり言うからね~、見せるからね~

そう笑いながら、講師は日々直面する事例をもとに、いろんなケースを話し出した。参加者からの次々と出る質問の嵐に、ニコニコしながら答えてくれて、最後に言った言葉がこれ↓

できることしかできない。
でも当事者の気持ちをわかろうとすることが大事。

講師の最後の言葉に、参加者誰もがホッとし、力をもらえたに違いない。


2015年7月7日

お医者さんから検査結果を聞くとき、家族としてはできればもうひと手間かけた い

病院に行くと、いろんな可能性を疑い、いろんな検査をする。
今や医学が発達し、いろんなことがわかるので、そこで何も見つからない方が奇跡なくらいだ(苦笑)。
それでも一般人にとっては、そこで何か言われることを晴天の霹靂と感じる場合も少なくない。
何かが見つかるということはお医者さんにとっては日常茶飯事なのだろうけど、言われる方はそうでもないということだ。

私が子どもの頃、テレビドラマの中でガンが告知されるシーンは、家族だけが別室に呼ばれて、実は・・・と言われるものだった。そして、本人に告知するかどうかについて、お医者さんと家族が相談するのだ。
それはもはや余命宣告されるようなものだった。

しかし今は違う。
早期発見できるし、医学の進歩で治療法もいろいろあるし、治る病気になりつつある。
だからお医者さんは、まるで「風邪ではなくてインフルエンザです」と言うがごとく、至って普通に「ガンですよ。」と言う。いつもの診察の延長で。



エンディングノートには、病名について告知してもらいたいかどうかを答える項目があるけれど、現実は本人のそんな気持ちなどお構いなしだ。
今はいつもの診察室でスルッと告知される。

言われた方にしてみれば、なかなかその衝撃は大きい。
いくら病名告知を希望する人であったとしても、だ。
ましてや告知を希望しない人はどうなんだろう。

今の時代、お医者さんは普通にガン告知するのがデフォルトだが、患者側は必ずしもそれがデフォルトと思ってはいない。
告知しないでほしい、という希望など受け入れられない。
かつては、知る権利が守られないことがしばしば議論になったが、今、知らされない権利は守られることはない。
お医者さんはすべてを話し、治療法の選択肢を提示して、あなたの人生観に照らし合わせ、家族ともよく相談して、決めてください、とボールを投げるのだ。

確かにそれは正しい方法だと思う。
自分のカラダのことなんだから、自分で知っておきたい。治療法は自分で選びたい。ーーそれが望ましい形だ、ときっと誰もが言うだろう。

だけど、いくらそれが早期発見であったとしても、何の前触れもなくそう言われて、果たしてどれくらいの人が冷静に話を聞き続けられるだろうか。
お医者さんの話を理解できるだろうか。
途中で頭が真っ白になることなく、冷静に選択肢を考え、治療法を選べるだろうか。
ましてや、ガンと聞くだけで余命宣告に近いイメージを抱く世代はどう思うだろうか。

検査結果を聞く時にはできるだけ1人で行かないこと、
家族だったら、1人で検査結果を聞きに行かせないこと、

以前、終末医療に携わる看護師に聞いたことがある。

つい先日、家族の検査結果を聞く機会があり、私はその看護師の言葉を思い出して付き添いとしてついて行った。
どんな結果になるかはわからなかったが、病院で受付した際に(診察前に)、本人が神経質であること、何事も気にしやすく気に病むタイプであることをあらかじめ伝えてみたところ、受付が担当ドクターと連携をとってくれた。
検査結果は芳しいものではなかったが、さまざまな配慮をしてもらえたことに、私は今とても感謝している。

それができたのは、ガン告知を受けた家族がガン専門病棟に治療で通う時に毎回付き添った経験があったことが影響している。
その病院でいろいろな相談をし、数々のアドバイスを受けたからだ。
病院がどんな体制であるのかも経験的に知る機会になった。

「どんな具合ですか?」〜患者よりも目の前の端末だけを見て、話をする電カル(電子カルテ)ドクターが今は多い現実がある。
病気は何か、どんな治療法があるか、そういう情報が重視されがちだけど、でも大事なのはそれだけじゃない。
患者も医者も生身の人間、心がある。
そこまで含んで医療だと思う。

家族から一言病院に伝えておく。
そういうひと手間をするかしないかで、受ける医療の質が変わってくる。

そんなことまで患者側が気を遣わなくてもお医者さんがそこまで配慮してくれるべき、という考えもあるだろう。
私もそれは否定しないけれど、人によって感じ方の強さが違う。
Aさんという患者にとってなんでもないことが、Bさんという患者にとっては大衝撃ということだってある。
医師だって、かなり気をつけて話したつもりでもぶっきらぼうな人がいたり、元々優しそうな人がいたり。
だから、患者側のひと手間を私はお勧めする。
さらに付け加えるならば、私の場合はお医者さんの話を聞く時に録音をとらせてもらうことも欠かさない。
人は話を聞く時に、印象的なことだけを記憶する傾向があるから。
改めて聞き直して発見することが多いのも付記しておく。

医学は進歩し、進んだ治療が受けられる今の時代。
患者本人や家族がもうひと手間かけて医療の場に臨みさえすれば、
医術だけでなき心ある医療が受けられる時代とも言えるのだと思う。
経済格差だけじゃない。
心を尽くす、手間をかける価値は、こんなところにも影響してくるのだ。





マイナンバー制度って、つまりどうなる? 大丈夫? いいことある?
私が知りたいので、教えてもらうセミナーを開催します。
7月10日19:15~、神保町で。
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 7月8日  もし親(配偶者)が認知症と診断されたら?
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 8月19日 モノの整理と心の関係~自分のモノ整理、親のモノ整理~
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 6月10日 生きざまと顔の関係 自分の顔について考える。
        終了しました