2010年3月15日

自然体な文化、社風

ある出版社の社長と会うために、その会社を訪問した。その出版社は青月社。2005年創業だから、5年目になる。ビジネス書を中心に様々な分野の書籍を出版している。出版不況と言われている真っ最中の今だが、確実に成長し続けているというのは立派だ。出版に関わる誰もがハッピーで居続けられるようなビジネスモデルで出版を行っていることがその成功の秘訣なんだろうと思う。
その社長とは、私は初対面だった。まだ30代半ばに見受けられるような若いイケメン社長だった。
受付は電話だけ。昨今の受付は電話だけで受付嬢はいない、というのはもはや当たり前だが、その電話がプッシュ式ではなくダイヤル式。しかも、受話器は話すためのマイク部分と、音を聞くための部分が別物になっている昔風のこげ茶色の電話だったのには驚いた。さらに、打合せ室に通されたら、そこは床の間付きの和室で、靴を脱ぎ畳みの部屋に上がり、座布団の上に座って打合せが始まったのだ。その和室にも、受付にあったような昔風の電話がある。打合せの前に、ひとしきり昔風の電話や和室についての話に盛り上がった。そういう話に花が咲くのは、私に限ったことではないと言う。
けれども聞けばその電話は、普通のビジネスフォンで、外線も内線も可能で、音も普通の電話と変わらない。価格的にはそう高価でもないので・・・と社長は笑っていた。和室についても、社内に一間でいいから和室を作りたいと思って・・・と。社長は、いかにも「頑張りました!」みたいな気負いはまるでなく、屈託がなかった。
普通の会社にはないような場所(部屋)や小物を、遊び心で置いてしまう。でもそれに対して気負いは全然ない。こういうう自然な感じで仕事場を作っていく空気や文化が、おそらくここの会社の文化なんだろう。肩の力が抜けた感じが、私にはとても心地よく感じた。