2012年4月5日

働き方の新しいカタチ

ICという働き方をご存知だろうか?
Independent Contractorの略だ。all aboutでは、かつて「独立業務請負人」という訳で紹介していたことがある。
企業と雇用契約ではなく、業務単位の契約を結んで仕事をする、インディペンデント・コントラクター(IC)。独立・起業ではない、組織から自律したその働き方だ。

今から4年半前に私が勤務先を退職して独立した際、私はその勤務先を退社はしたが、ある部分のみ継続して仕事をする契約を結んだ。今になって考えてみれば、これはまさにICという働き方だったようだ。
私自身の契約は、それ1本だけでというほどの仕事量ではなかったし、他のこともやりたかったので他の仕事もやっているため、純粋なICとは言えないが、IC自体は、当時新しい働き方として少しだけ騒がれたことがある。
当時はあまりそういうことを意識していなかった。今になって考えてみたらそうだったなと思ったので調べてみたところ、今はほとんど言われていないようである。

all aboutで取り上げられたのも、2006年と2008年。
他の記事でも2005年から2009年までがほとんどだ。
アメリカではかなり一般的な働き方と言うことだが、今の日本ではどうなんだろう?

ちなみに、私は今でもICとしての業務は多少継続して行っているが、いろいろな意味で余裕があるので、今、ICとしての仕事は1業務にすぎない、というのが実態である。

そして、今の時代、新しい働き方として脚光を浴びているのはノマドワーキングだろうか。
決まった場所(オフィス)ではなく、カフェや公園など好きな場所でノートPCやスマホ片手に仕事するスタイルだ。

この5年の大きな違いはITの進化だろう。クラウドサービスのハードルは低くなった。各種のサービスが、しかも無料で利用できることが増えてきた。
実際、カフェに行って周りを見回せば、仕事をしている様子の人は少なくない。
私自身も、無料のクラウドサービスを多数利用するようになった。
打ち合わせやアポイントで外出する際に、ちょっとした時間があけばカフェで仕事ができるので、外出先からいったん戻ってまた外出、ということはあまりしなくなった。
それでも私自身はまだオフィスはいらないとは思わないが、外出先でクラウドサービスを利用して仕事をすることができるので、時間の無駄がない。
 
ICとノマド、どちらもそれぞれの時代の新しい働き方と言われたカタチではあるが、社会の中の立ち位置や向かい方が少し違うように思う。
ICは、企業と個人が契約する働き方。終身雇用が崩れ、企業がリストラを進める中で、企業にとっても個人にとっても都合のいい働き方とも言える。個人は自分自身の能力部分だけを企業に買ってもらうのだ。
これに対してノマドは、契約の仕方や雇用主についてはあまり問われていない。個人事業主、自営業の人、一般的なサラリーマン、契約社員や派遣社員等々、いろいろな形態があり得るだろう。それよりもどこでどんな風に仕事をするか、ということが、問題なのだ。
ICに比べて、ノマドは、より自分らしく、 より心地よい働き方のカタチであり、自由度も高いように私には思われ、今の時代の流れを感じる。
これからの時代の新しい働き方は、どんなふうに変わって行くのだろうか。