2013年12月10日

いまの時代の手帳とは

この時期、文房具売場は手帳売場が大きくなる。
買う年、いただく年、さまざまだが、それでも自分が使いやすい手帳は決まっていた。
愛用していたのは「能率手帳」。
それがなくなり、NOLTYに変わると言っていたのが、10月2日掲載の新聞広告だった。



「変更の大きな要因は時代背景の変化だ。
仕事の能率化をテーマに『能率手帳』を作ってきたが、もっと自由に様々な用途で使ってもらいたい。若い人や仕事以外でも使ってもらうためにはどうすればよいのか。5、6年前から名称変更の思いがあった。『能率』という言葉が自由に使ってもらう幅を狭めてしまう、ということで思い切って変更することにした」と言うことだ。

私が能率手帳を使い始めて、たぶん20年くらいになると思う。
それでもここ数年はあまり使わなくなっていた。
イマドキの、ネット上のクラウド手帳(スケジューラ)を併用して使い始めたらそれが便利になり、気づくと紙の手帳をあまり使わなくなって行ったのだ。
そのうち紙の手帳に書き忘れることが多くなり、毎日持ち歩いているのに、開かなくなっていった。

ところが最近、私はネット上のスケジューラに問題を感じ始めていた。

「書く」作業をしないせいか、予定が頭に入らないのだ。
日にちがいつだったか、時間が何時だったかをすぐに忘れる。
明日のことなのに、何回も見て確認する始末だ。
1週間後の予定となると、ますます何日の予定だったか思い出せなかったりする。
ひどい時は予定自体を完全に失念し、慌てることすらある。
さらに困るのは、対面でスケジュール調整をする時に、咄嗟にスケジュール確認をしたくても電波状況が悪くそのスケジューラが見られない時があることだ。

そこで、本当に使いやすい紙の手帳をきちんと選び直そうと思い立ち、まだ暑い頃から探し始め、やっとみつけた手帳を先月から使い始めた。

ネットかリアルか・・・。

まだまだネット上のスケジューラと、紙の手帳の併用ではあるが、今のところ、紙の手帳の使い心地は上々だ。
ネット上のスケジューラは、空き時間がどこにあるかが一目瞭然ではあるが、常にその日1日のスケジュールの確認、「点」でとどまっているような気がする。
けれども紙の手帳は、今、少し先、ずっと先、・・・というのが一つの線につながっていくような感覚がする。

広告の中で注目したフレーズがある。
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右肩上がりでない時代
書くことは考えることであり、振り返ることであり、思い描くこと、
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今、私は紙の手帳に戻って、日々書く作業を繰り返しながら、改めてこのフレーズに賛同する。それは古い世代だからなのか、それとも・・・?!
来年が終わる頃、私は今と同じような気持ちでいるだろうか?

能率手帳ではなく、NOLTYか。
覚えられるかな。