2011年9月12日

結局は人間関係

私が長年勤務した会社を辞めた頃は、今に比べればまだまだ景気のいい時代だった。今や大混雑のハローワークはまだ空いていて、求人が求職を上回っていた。その昔は不親切と言われたハローワークは、時代の流れのせいかとても丁寧な対応をしてくれていた。そのハローワークでは、求職者のためにスキルを学ぶための機会をいろいろ提供しており、私は独立開業前に、そこで3カ月でMBAエッセンスを学ぶ「ビジネスプランナー」コース入学の機会を得た。そこでの学びは、勤務期間の集大成とも言え、会社で実践してきたことが理論的に検証された3カ月、とても有意義なものだった。そのコースが終了した2008年9月に私は個人事業主としてスタートしたのだが、リーマンショックはその直後だった。先日、その仲間たちと久々のOB会があった。
約30人のクラスメイトだったが、当日集まれたのはそのうちの1/3に満たなかった。ハローワークが用意した学びの場なので、クラスメイトは、その当時みな失業中。次の仕事に向けて学ぶ仲間だっただけに、リーマンショックの影響は大きかったのは間違いない。次の仕事をみつけるのに苦労した人も少なくない。
そういう中で、卒業後起業した仲間が数人いる。
そのうちの一人は、リーマンショックと起業のタイミングが重なり、それなりに苦労したようだが、その後成長し既に黒字化した。IT系の半導体関連ライセンス販売コンサルティング等を業務としているが、会社の成長を支えたのは人間関係だと言う。IT系とは言え、やはり信頼できる人の紹介、人とのつながりなどが成長に大きく寄与したという。
卒業後すぐに数人の支援者をバックにベンチャーとしてスタートした別の一人は、強烈なキャラクターの持ち主で、そのクラスで勉強中には、発言も異彩を放ち、積極的でとても熱心だった。彼がスタートしたベンチャーがその後どういうプロセスを踏んだのかは知らないが、今彼は、某大手で取締役として多忙のようだ。その企業のトップが彼に惚れこみ、彼もそのトップに惚れこんだ結果、そういうことになったという。これも人間関係の結果だ。
結局は人間関係。結局は人間力・・・そんなことを思うのだ。
学ぶこと、考えることはもちろん大切だ。それを形にして行く努力や気力や推進力といったエネルギーももちろん大切だ。しかし、それを発揮するために必要なのは、人間関係や人間力であり、それが力を2倍、3倍にするのだと思う。
彼らのそういう近況を聞きながら、私はかつての学びを思いだし、改めて人間力を磨かなくてはと、自らを引き締めている。