2012年1月12日

家庭ありきの仕事

当たり前のことだが、自分の年齢が上がってきたことで、親の年齢が上がってきた。

最近、私の周りでは、親が弱ってきたことでさまざまな問題を抱える人が増えてきた。
親の病気、親の介護を抱えながら仕事をしている人たちだ。
かく言う私も、昨年、夫の父を看送ったばかりだ。義父が亡くなる前の1年間は、病気とのおつきあいでもあった。今、義母は一人で暮らしており、義妹が頻繁に様子を見に行ってくれていて、うちは週に1度くらいのペースで行っている。
一方、私自身の両親は、二人で暮らしているが、近年急速に老いが目立つようになってきた。体のあちこちに故障を抱えるものの、緊急性が高いわけでもなく、二人揃っていることもあるので、私が行くのは月に1度くらいのペースだ。

今、まさに親の介護問題に直面しながら仕事をしている友人が、「家庭がざわざわすると、仕事どころじゃない。」としみじみと言う。
家庭がざわざわするというのは、家庭が落ち着かないということだ。
介護を抱えこんではいけない、というのはよく言われることだ。
しかしそのために各種サポートを受けようとしても、まず親本人がそれを嫌がることがあり、それをクリアしなくてはサポートを受けることができない。
親を説得してクリアしたとしても、親が入院する、入院先の医師と面談する、親に介護が必要になりケアマネージャーとの度重なる打ち合わせが入る、などなど、次々と時間が拘束される案件が発生する。仕事中でも連絡が入る。コントロール不能なので、自分のスケジュール管理にも支障が出る。・・・こういう状態で、今、仕事をしている人は世の中にどのくらいいるのだろう。

そういう中で大事になるのは、兄弟姉妹など家族の協力体制に他ならない。
家庭がざわざわしても、できるだけ仕事には支障が出ないようなローテーションを組むなどの家族の協力体制は、経済的な生活基盤を守るだけでなく、個々人の精神的負担を軽くする上でもとても大事なことだ。社会にとっても望ましい形であるのは間違いない。
震災以降、家族や絆の重要性が叫ばれるようになった。
こういうところで、その「絆」が生かされればと思う。
ちなみに私自身は三人姉妹。夫には妹がいる。
私の親の場合も夫の親の場合も、それぞれ妹たちに大いに助けられており、感謝している。
その点、兄弟姉妹のいない一人っ子は大変なことだろう。
最近は一人っ子が増えてきたことだし、少子高齢化問題はいずれ、深刻な老人(介護)問題へとつながっていくにちがいない。