2015年9月11日

どうする? イベント開催の時に大台風来襲と重なったら・・・

関東地方は、台風18号と秋雨前線の影響で、
9月8日、9日、10日と記録的な大雨になりました。
その後も、11日は北関東から東北へと被害が広がっています。
ここのところ、記録的な○○、史上最大、100年に一度の○○、最大級の警戒、
など、それこそ未だかつて聞いたことがないような表現が飛びかっていますが、
今回はまた想像をさらに超えることになりました。

すごい雨だけど、東京都心は電車がちょっと遅れる程度なんじゃないの?

私は天変地異に対して危機感が薄く、
日頃そういうことに対して予め準備をするということもほとんどない。
ニュースで騒いでいても、
不謹慎ながらあまり気にせず日常通りに過ごすことが多い。
外出を控える、早めに帰る、など、ほぼ考えることなくこれまできた。

ただ、この台風がピークの9月9日(水)、
私は自らの主催で18:30~、エンディングノート講座の開催を予定していた。
この日は専門家の講師をお招きして行う予定だった。
開催前日、台風も雨もニュースでは一応確認していた。
天気図では、台風は日本列島を通過し、夜には抜けそうだった。
それを見て私が思ったのは、雨降りで嫌だな、という程度だったのだ。

翌日(9日)、午前中から問い合わせが入り始めた。

「今日の講座は中止ですか?」

「いえいえ、予定通りやりますよ。
台風も夜にはぬけそうだし、雨もやめばいいですね。」

私は気にもせず、明るく答えた。
内心、ずいぶん気にする人がいるんだなと不思議にすら思っていたのだ。

午後になり、雨がとても強くなってきた。
それでも私はどこかまだタカをくくっていた。
台風の時は雨が強く降ったり弱く降ったり、風が強くなったり弱くなったりを繰り返すのは普通なんだから、と。

やっぱりイベント開催は中止した方がいいのかしら

ところが14時を過ぎたところで、
東京都内に洪水をはじめたくさんの警報が出始めたのだ。
参加者から
「もし電車が止まると帰れなくなるからお休みします。」
という連絡も入ってきた。

ええっ?!
そこで初めて、私は中止(延期)を検討した方がいいのだろうかと思い始めた。
15時になろうとしていた。

イベント参加者に連絡がつかない

中止(延期)するなら、参加者だけでなく、
今回お願いした講師にまず連絡をしなくてはならない。
会場はキャンセルできるだろうか。
会員制の継続定期講座だから、もしも中止するならそれは延期だ。

講師は延期しても対応してくれるだろうか。
参加者は延期になることで不利益をこうむらないか(=参加できなくならないか)。
延期日の調整がつくだろうか。その日会場は確保できるだろうか。
延期で参加できない人には返金手続きをしなくてはならない。

それにしても、参加者全員に今日は中止という連絡がつくだろうか。

いろいろなことが頭に浮かぶ。
とりあえずメールと電話であちこちに連絡をつけ始めた。
会場、お招きする講師、参加者。
講師や参加者は仕事中だし、ほとんど連絡がつかない。

もし中止の連絡がつかなかったら大変な迷惑だ。

結局、全員に連絡をつけることができないまま、
私は16時の時点で中止を決定した。
幸い、開始予定時間の30分前に全員に連絡がついた。
そのまま、延期候補日の調整に向けて、
講師や参加者に連絡をし続けることになり、
その日の夜、会場確保までが確定した。

判断はいつすべきなんだろう

午前中に問い合わせが入ったときに、私はもっと考えておけばよかった。
私の判断が遅すぎた。
今回は少人数の講座だったことが幸いし、
その日のうちに延期となる振替日が確定できたのだが、
もしも大人数だったら全員に連絡しきれたかどうかはわからない。
私は中止を決められなかったかもしれない。
それによって、参加者が帰宅できなくなったり、
危険な目に合わせることになったかもしれない。
実際、参加者の一人の自宅は
今回の台風で甚大な被害が出た地域のすぐ近くだった。

判断の遅れは命取りだ。

今回、私が漠然と検討を始めたのは14時、イベント開始の4時間半前だった。
そこから逡巡し、各所に連絡を取り始め、中止を決定したのは16時だった。
どちらにしても、私の判断は絶対的に遅かった。
朝、問い合わせが来た時点で中止を決めていればよかったのだ。

私は会社員時代から、イベントの開催側スタッフの経験も少なくはなかったけれど、
天変地異による中止や延期は経験したことがなかった。
芸能人のコンサートなど、急遽中止になることがある。
延期日程が示されたり、チケットの払い戻しがあったりするのをしばしば目にする。
しかしそんなのは他人事だった。

打ち合わせやアポイントなら当事者同士だけの話だから簡単だけど、
イベントのような場合は決行しても中止しても迷惑をかける範囲が大きい。
しかも今回のような時々刻々と変化する自然災害の場合の判断は難しい。
いつ、どこで判断すべきなのか。

イベントを主催するということは、
いざという時に的確に判断せねばならないということとセットである。
主催する以上はその判断の重要性を肝に銘じるとともに、
自分の中の判断基準をいくつか明確にして持っておく必要があることを
痛感する1件となった。

イベント開催だけじゃない。
今回のような天変地異による中止や延期だけでもない。
あらゆることについて、主催者の判断の遅れは命取りだ。
しかし、早まった判断ミスが命取りになることだってあろう。
判断というのは難しい。
勢いや覚悟だけではすまない。

大雨を降らす雨雲が関東地方を通り過ぎても、東北ではまだ大雨が続いている。
大雨がやんだ地域も、まだ土砂崩れの危険は続いている。
どうかこれ以上の被害が出ませんように。




  10月5日(月)18:30~  
    ※9月9日(水)開催予定でしたが台風の影響により延期を決定しました。
    もしも今・・・?!
     命にかかわる医療について、もう少し考えてみる

  10月14日(水)18:30~
    自分のルーツと家族の関係
     ~家系図から見えてくること~

   会員制の継続講座ですが、初回は体験参加できます。
   体験参加は、3,000円(消費税別)。