2016年3月16日

シニアって誰?!20代も40代も60代も90代も・・・自覚年齢の不思議

シニアという言葉は本当に微妙で、いったい何歳くらいのことを言うのでしょう。
経済ニュースではシニアマーケットが有望だと言われるけれど、
当の本人はたぶん自分をシニアとは思っていません。 
それは、たぶん私くらいの世代だけでなく、60代の人も70代の人も。
私の周りの60代70代を見てそう思うのです。


下から上を見る目

小学1年生のとき、6年生がとても大人に見えました。
高校生のことは自分の親と同じくらいのイメージに見えていて、
完全にオジサン、オバサンの部類でした。

会社に入ったばかりの頃、40代の部長は疑いもなくオッサンでした。
けれども今、自分がその年齢を超えてみて、
たとえ見た目がそうであっても、気持ちは20代の頃とほとんど変わっていません。


老後が心配な「高齢者」

私の母が、今から20年くらい前に、
毎月◯万円出るような年金型の保険に入ると言いだしたことがあります。
当時母は70代に入り、
自分が老いた時に私たち子どもに迷惑をかけないようにという趣旨でしたが、
聞けばその保険は90代半ばから年金が出るというものでした。

 その心意気は買うけど、いったい幾つまで生きるつもり〜?!

私たち家族で大笑いしました。
母は喜ばせるつもりだったのか少しがっかりしたようで、
結局はその保険に入りませんでした。
だけど今の元気な母を見ると、あながち笑い話ではなかったかもしれないと思うのです。
でも当時私たちは、あり得ないと思いました。

100歳の双子、きんさんぎんさんがテレビに引っ張りだこで
CMにも多数出演していた頃、
稼いだお金を何に使うか?
という記者からのインタビューでの答えが
「老後のための貯金」。

きんさんぎんさんも、私の母も、
そんな答えが出てくるのは、
いかに将来が不安な世の中かという証なのかもしれないけれど、
私が注目するのは、自分の年齢に対する認識です。

だって私、高齢者じゃないもの。

在宅の方の介護フォローを目的とする施設(デイサービス)で働いている友人が、
そこにおいでになる80歳の女性のお手伝いをしていたときのこと。
施設の職員がその女性に食事指導の立場で優しく言いました。

「高齢者の方は塩分控えめにしたほうがいいですよ。」

けれどもその方のお返事は、
「私、高齢者じゃないもの。」

実際、その女性はとても80歳には見えないくらいきれいで可愛らしくて明るい方で、お肌も白くてきめ細かくて、ホントにとってもお若いのだそうな。

その友人に聞いたエピソードはまだまだ続きます。


若い頃にまだ珍しかったゴルフを始め、
学校の友達が全員いなくなって、同い年の人と喋れなくなったのがつまらない
と言いつつも、今でも時々コースに出ている方(以下Aさん)が、
デイサービスの別の利用者さん(以下Bさん)と話していました。

Aさん 「私、特養(特別養護老人ホーム)に入れないかしら。

Bさん 「Aさんじゃ入れないわよ。元気だから。
  特養は重くならないと入れないけど、有料(老人ホーム)だったら入れるわよ。

Aさん 「でも有料って高いでしょう?

Bさん「息子さんやケアマネとちゃんと話したほうがいいんじゃない。

Aさん「そうね〜。
   ほら私も一人暮らしだから、この先のこと、どうしようと思ってさ・・・。

サバサバしてカッコイイ系、この先のことをどうしようと思うAさんは、
現在94歳の女性だそうです。

私は私。未来を考えるのはみんな一緒

80代、90代のそんな言葉を聞くと、私たちは一瞬ギョッとしてしまいます。

え?!
これからですか~?!

注目したいのは、同級生がみんないなくなっていたとしても、それはどこか他人のこと。
昔も今も、私は私 だということ。

実際、自分自身がこの歳になって、
まさか、心の中が20代の頃と大差ないとは、正直なところ思いもしませんでした。

先日同世代の男性にその話をしたら、

わかるわかる。本当にそうだね、と笑って同意されました。
うふふ、私だけじゃないんだ~。

オンナだけでもないんだ~。

勝手なイメージを抱いているのは他人であって、

当の本人は全くそんな風には思っていないのです。

どんなに年齢を重ねたからと言って、
周りが思うほど気持ちは「年寄り」なんかじゃなく、
いつの時代になっても私たちは「今」、先のことを考えています。
未来への希望を抱いたり、将来への不安で思い煩ったり・・・。

生きているということは、きっとそういうことなのではないかと改めて思うのです。




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