2015年3月13日

その人の「素(す)」に魅力が詰まっている

ふとした時に出る「素(す)」の表情に魅力が詰まっている

これ、直木賞作家、西加奈子さんが、NHK[あさイチ」(3月13日)で語っていた。
私も、まさしくそう思う。

メチャクチャ偉そうな人が、ふとした時に見せるあどけなさや弱さ。
頼りなさげな人が、ある瞬間に見せる力強さ。
・・・

人の魅力って、そういう時にぐっと高まると思うんだけど、どうだろうか。

それが見える表情、顔に、私はとても惹かれる。
ちょっと眉が上がったり、目が力強くなったり、目尻に優しい皺が出たり。

今まで怖そうに思っていたから、直接会うのは避けていた。
悪い人じゃなさそうだけど、仕事を頼む気持ちにはならない。
・・・そういうこと、意外に多いのではないだろうか。

だけど、抱いていたイメージとは違うことがわかると、
一気に距離感が縮まる。
だったら一度会ってみようかな、
仕事をお願いしてみようかな、と思うことはないだろうか。

そういう時に、「顔」のチカラって結構大きいはずだと私は思っている。

西加奈子さんの言葉は、それをうまく表してくれた。

日常の顔、できるだけ自然ないつもの顔を出していくことももちろん大事なんだけど、
そういうふとした時に出るまた別の「素」の顔。

意外に本人は、
日常の顔も、「素」の顔も、あまり気づいていない知らない顔だと思う。
本人が知っている自分の顔というのは、仏は鏡に映っている顔だから。

だから、どうしても証明書写真風のきちんとした写真や、
ちょっと斜めに立ってモデルさんのように綺麗なオスマシ写真が選ばれ、
世の中にはそういう顔がよく出てくるのだろう。

もちろん、ビジネスの写真はちゃんとプロに撮ってもらいましょう、
というコンサルタントが多いのは事実だし、私もその方がいいとは思う。

けれど、人が心を動かされる顔というのは、
必ずしもきれいな写真とは限らないことを知っておきたい。
私が顔、それも顔つきにこだわっている理由の一つに、そういうことがある。

会社の顔として出す経営者の顔写真、
相談業務が多い士業のプロフィール写真、
・・・

仕事ができること、優秀であることはもちろん大事なことではあるけれど、
お客様はそれだけではない「何か」を求めているのも事実。

その人はどんな人で、どんな強みがあって、
仕事をするときにどんな顔をしているのか。
私が顧客だったら、そういう顔が見たい。
そして、できればその顔に、その人のビジョンが垣間見えたり、
ちょっと想像できそうだったりしたらベストだと思う。

誰もがきちんとした写真がいいとは限らない。
本人が気づいていない魅力的な顔がきっとある。

ちなみに、西加奈子さんが直木賞を受賞した作品はこちら。




正直なところ、私は上記作品も今までの西加奈子さんの作品も読んだことがなく、
西加奈子さんがどういう人なのか知らない。
けれど、
ふとした「素」が出る表情に魅力が詰まっている
と言うところに、「そうそう!」と思ったので、改めて作品を読んでみようと思う。



トラベシアの、「その人らしい“いい顔”撮影会報告」