2009年7月3日

安全の担保

事務所引越し後、ようやく日常業務に入り始めた矢先に、今回購入したばかりのパソコンが壊れ、ウンもスンも言わなくなり、修理を依頼・・・・などなど、とても働く環境ではないアクシデントが続き、なかなか落ち着かない日々が続いていたが、ここに来てようやく落ち着いてきた。

ここのところ、手がけている「お肉」仕事。その品質や味、料理の情報に接するのが楽しいのはもちろんだが、日本の「お肉」の業界は奥深く、さらに興味深いことが多い。
「お肉」の生産とも言える動物の繁殖と肥育。と殺から枝肉へ、部分肉へ、精肉へという加工・流通の流れなどなど。
何よりもすごいのは、その安全管理だ。牛のBSEや鶏インフルエンザなど脅かす問題が多いとは言え、うるさい日本の消費者のための安全管理体制の充実は目を見張る。
日本の牛肉が全頭検査が行われているのは、ニュースでも言われている通りだ。さらにどんな牛肉にも個体識別番号がついていて、販売時には必ずその番号が表示されている。インターネットでその番号を検索すると、その牛肉の元となる牛の素性はすべてわかる。その牛の誕生年月日、父、母、どこの農場で生まれ、どこの農場で育ったか、どこでと殺されたか、などなど。これによって、万一、牛肉に何かトラブルが発生しても、その原因究明がスピーディにできる仕組みだ。
すばらしい安全管理体制だと思う。世界中で、ここまで徹底している国はない。
しかし、それにかかるコストはいかほどのものだろう。そこまで気をつけなくてはいけないほど、日本の消費者は神経質なんだろうか。そこまで管理しなくてはいけないほど、食品の安全への信頼度は薄まっているのか。
その体制のすばらしさに感動しながらも、反面そんなに神経質にならなくてはいけない現状が、むしろ普通でないような気がしてならない。