2012年5月14日

中高年の「働きたい」「働きたくない」、私のイメージとは少し違う

厚生労働省の中高年齢者に対する継続的な調査「中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)」の第6回調査結果(2012年2月発表)によれば、60~64歳の高齢者のうち、仕事をしていない人は4割近く。
その理由としては「仕事をしたくない」がもっとも多く、半分以上を占める。
そして、「仕事をしたい・準備中」は、1割強。
そんなものか・・・が、私の感想だった。
私自身のことを考えてみると、後進に道を譲ってだんだんとフェイドアウトしていく定年という会社のルールは、どうも自分に馴染まない気がしていた。
後進にはどんどん道を譲りたいが、それは新しい道をどんどん開拓したいからに他ならない。
ルールというフェイドアウトではなく、終わり方や終わる時期は自分で決めたいと思っていた。
だから、定年よりもずっと早くに、「退職」という道を選び、いろいろなことを始めたいと思ったのだ。
そんなわけで、60歳以上の人の本音は、実は仕事をしたいが環境的に難しい、という人が多数派だと、私は思い込んでいたのだ。

もう少し読み進めると、
女性は「仕事をしていない人」の7割が「したくないからしていない」。
男性とは13.6ポイントもの差がある。
そもそも60代の女性は、男性より仕事をしている率は低く、
「仕事をしたくないが、(仕方ないので)仕事をしている」人の比率も低いという。
ここで言う「仕事」には家事は含まれないので、彼女たちは「家事に専念したい」、もしくは「もう十分家事も含めて働いたから、これからはゆっくりしたい。」ということのようだ。

考えてみれば、この世代はクロワッサン症候群の直前、少し先輩の女性たちだ。
女性の仕事と言えば、勤め人の場合は、まだ公務員と教師以外はなかなか自己実現しにくく厳しい時代だったのかもしれない。
元々そういう経験者でもない限りは、自己実現的な仕事のイメージが描きにくいことも想像できる。
環境問題などで、ボランティアや社会貢献意識が高い女性は少なくないが、
ペイを得るものではないので仕事ではなく、仕事イメージが膨らみにくいのだろう。

特に女性の仕事の場合は、その人の生きた時代によって環境が大きく変わるため、意識やイメージはぐっと変わるのかもしれない。

60代の仕事、「働くこと」について、次回も書いてみようと思う。