昨日電通が発表した「2009年 日本の広告費」。全体で前年比11.5%減。そして、媒体別の金額では、初めてインターネット広告が新聞広告を上回り、テレビに次ぐ第2位の媒体になった。
このニュースは、昨夜NHKでも報道されていた。民放のニュースでは私は見かけなかったが、これは偶々なのか、それとも広告頼みの民放テレビ局にとっては脅威だから報道しなかったのか・・・。
そういえば、その昔、インターネット広告がラジオ広告をぬいて、媒体で4位になった時、大ニュースになったなあ・・・と思い出す。
ニュースではインターネット広告の話にスポットが当たっているが、むしろ深刻なのは、新聞が18.6%減、そして雑誌が25.6%減という数字だ。活字媒体が苦戦している。苦戦する雑誌業界でも、新興出版社一部の雑誌が健闘しているという状況を考えると、老舗の出版社の苦境がいかに大変なものかがよくわかる。活字への接触が猛スピードで減っているのだろう。この数字は今後復活する時が来るのだろうか?
この統計は金額。インターネット広告は、全体に比較的安価であることを考えれば、その活用の広がりは大変なものであることが想像できる。しかもクリック保証など、効果がある程度見えるものも多く、広告業界にとっては、今までの広告ビジネスからの転換も考慮せざるを得なくなる時期に確実に入ったと言える。広告費をベースにしたビジネスモデル自体が壊れようとしている。
それでも私は、広告でモノは売れ、人の気持ちが変わる、ということを否定しない。ただ、広告とのつき合い方が変わったのだ。広告主も。消費者も。それを忘れると、大やけどをしそうだ。