2010年2月15日

「何回言ったらわかるの?!」

「何回言ったらわかるの?」子どものころによく言われた言葉だ。
中小企業の経営者向けにメルマガを発行している経営コンサルタントが、「教育とは言ってみれば“思い込ませること”、相手の思考をAからBに動かすものだということをわかった上で、同じ人間に同じ話を400回言えるかどうかだ。」と解説している。 「文化とか伝統とかいうものは、こうやって作るのだ」と解説している。
子どもの頃、同じことを2回・3回と言われ、「何回言ったらわかるの?」とよく言われたものだ。仕事を始めてからも先輩からそう言われたことを思い出す。私自身も、若手と仕事を進める場面でしばしば言う言葉でもある。それでも私が言うときは、せいぜい3回~5回同じことを言い続けた結果使う言葉である。しかし400回とはすごい数だ。これには驚いた。
なるほど、人を育てようとしたら、400回言わなくてはいけないのか・・・・。
それだけのエネルギーがなくては、文化や伝統は作り上げることができないということなのだろう。
ただ、「教育とは“思い込ませる”“相手の思考を動かす”」という表現が少々気にかかった。
そういうことよりも、言う(=教える)側は400回言い続けられるだけの熱意が必要だし、聞く(=教わる)側は何回も聞くたびにそれを受け入れられる心があるかどうかがむしろ重要な気がする。表面上は聞いていても、心に届いていなければ意味はない。結果、納得しなければ400回が500回になったとしても無駄になってしまう。
言う方も400回言い続けられるだけの熱意が必要であり、それだけの熱意があれば、400回にまでならなくても、言葉は届くはずだ。
結局、それは愛情だったり、信頼感だったり、リスペクトできるかどうかだったり、などの別の要素が、回数よりも重要になってくるような気がする。
これは教育だけでなく、あらゆる場面でも同じことが言えると思う。