2016年4月8日

ネット上でずっと生き続ける?それともきれいに消えていく?「デジタル終活」という新しい視点

最近、Facebookで訃報を知ることがあります。
亡くなっている人のお誕生日に、それを知らないお友達からお祝いメッセージが次々と届くのを見て苦しくなることもあります。

亡くなったタレントの飯島愛ちゃんのブログが閉じられたのは比較的最近のことです。
亡くなってから10年経っていました。
ブログには亡くなってからもファンのコメント、追悼メッセージがどんどん届いていました。

「終活」のイメージは、どちらかというと高齢者のためのもの。
ネットやデジタルをどうするかは今まであまり注目されてはいませんでした。

けれども

新しい「デジタル社会」は
まだ「人の死」に備えられていない

これは、
拙著「失敗しないエンディングノートの書き方」(法研)を紹介してくれたこちらのムックに書かれていたフレーズです。




今やパソコンにはロックがかかっているのが当たり前。
自分だけの秘密、できれば見てほしくないデータも、ロックがかかっているからバレてしまうことは少なくなったかもしれません。
けれども反面、いざという時にはぜひ見てほしいと思うデータも、ロックを解除できないと見てもらうことはできません。

万一の時、大事なデータがちゃんと伝えられるか?!
万一の時、見せたくないデータ、知られたくないデータが
バレてしまうことはないか?!

自分が困らないように。
遺された人を困らせないように。

その解決法としてつい2~3年前には「HDDを初期化」するのが一つの方法とされていたのですが、今はそういうわけにはいかないくらい、PCの中やネット上には大事なものもあって、単純化できそうにありません。

書類もアドレス帳も、今は紙ではなくデータに。
かつては家族も大体知っていたおつきあいですが、
今やLINEやFacebookやSkypeなどネットを通したものは本人しかわかりません。
支払は現金からカードになり、明細もペーパーレスに。
ネット決済も多くなっています。
定期的に引き落とされるものの中には、本人でないとストップもできないものも・・・
通帳がない銀行だってあります。

だけどこの「デジタルムック」の編集者たちのような世代(30代)にとっては
「いざという時」「万一の時」というそんな日は全く身近でないし、
あまり関係ないと思っている・・・
だけどある日親しい人が亡くなる、厳しい病いにかかる・・・
そんなこををきっかけに、他人事が自分ゴトになり、そうなったらどうするんだろう?!
と思い始め、話をしていったのが企画の始まりだったそうです。

ちなみに私が8年前まで書いていたブログ、
8年間放ったらかしでまだ存在しているのですが、
ID/パスワードがわからないために、手を加えることも消すこともできません。
ハンドルネーム書いていたので、誰かもわかりません。
今私が死んでも、きっとずっとこのまま・・・・
なんだか、宇宙ごみのようですね。

私がエンディングノートの講座をやっていることもあって、こういう声がよく聞かれます。

 エンディングノートは書くよりも入力したい
 書いたものはクラウド保管したい

私自身も書くのは面倒だからできればそうしたいと思うけれど、
でも、オススメしていません。
やっぱりアナログ保管をオススメしています。

なぜなら、
アカウントは? IDは? パスワードは?
そんなこと、本人だって忘れてしまうと大変なのに、
本人以外にどう伝えるの?
伝えたとしても、ちゃんと理解してもらえる?
見てほしい人に、見てほしいものを、見てもらえるかどうかは
甚だ疑問だと思うからです。

手書きの文字には急いで書いたか、ゆっくり書いたか、
丁寧に書いたか、適当に書いたか、等がなんとなくわかります。
訂正する時に消さずに書き足していけば、
何度も考えたのか、さらっと書いたのか、なども
自分自身が見返して気づくこともあるし、他の人が見たときも推し量れるでしょう。

まあ、そんなことを言っている私は「昭和の人」なのかもしれませんが。

そうは言っても、この2~3年のネットの変化がこんなに大きいのですから、
「デジタル終活」は今後ますます変化していくに違いありません。
今、80代の人の大多数は、あまり関係のないのかもしれませんが、
60代以下であれば、関係ある人の割合がぐっと増えるはずです。

デジタル終活」の誌面には、
データはどうしたらいいのか?
SNSはどんな手があるのか?
大事な写真はメディアに落としておいた方がいいのか?
もしも今、自分が死んだら・・・
Googleのサービスはどうなるのか?
契約者本人以外の解約を認めない携帯電話は?
定額制の購読アプリは?
プロバイダーは?
そう言えば気づかなかったけど、と思うようなことが
次々と出てきます。
今、気づいた方、きっと参考になります。

本屋さんを歩いてみたら、
終活といっても、本屋さんで「デジタル終活」が売られている場所はコンピュータ関係の雑誌売場。


うーん、残念。こういう雑誌を買いに来る人は、
果たして「デジタル終活」という言葉は目に止まるのだろうか。
せめてお片づけや断捨離本の近くに置いてほしかった・・・

まだまだコンピュータ好きの一部の人だけなのかな。
いや、そんなことは絶対ないはずだと思いますけどね。。。








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