偶々、いくつかの仕事が集中し、寝る時間が取れない日が続いていた。
不思議なもので、そうやって忙しい時ほど素敵な出会いがあったりします。
ある業界の仕事をするにあたって、その業界情報や基礎知識を知りたいと思っていたところ、偶然にも知人を通じて、その業界団体OBと一緒に食事をする機会に恵まれた。
その人は、現在72歳。業界団体に来る前はキャリア官僚の女性だ。
考えてみれば、まだ女性の役人自体が非常に少なかった頃、雇用機会均等法ができることなど想像もできなかった時代に官僚になったはずだ。今はほぼ引退し、悠々自適の日々だ。
彼女は非常にクレバーなのにそれをあまり人に見せず、物腰が柔らかく、限りなく気さくだった。
かつて仕事関係で出会った人、能力のある人ない人、年配の人若い人、など関わらず、誰とでもわけへだてなくおつき合いを継続させていた。
そして、各々の今の状況を、我が事のように今でも喜んだり心配したりするような人だった。
女性が役所で仕事をするだけでも大変だったであろう時代から仕事をしてきた人、というのは、こういう人なのだろう、と改めて尊敬し、「人間力」を感じました。
「人間力」・・・生きていく上でだけでなく、仕事をする上でも、実は最も必要な能力なのかもしれない、と考えさせられた出会いでした。