動的平衡で有名な科学者、福岡博士は「うまく言えないけれど」を使わない、と自分に課しているそうだ。
それを知って、正直なところ私はハッとした。というのは、私は「うまく言えないけれど」を口癖のように使っていると改めて感じたからだ。「うまく言えないけれど」は、本当はいろいろ考えているけれど(実は考えていなくても相手にはどう思ってほしい)、適当な言葉が見つからないことを理由にして話をするときに、私は使っている気がする。考えてみれば「うまく言えないけれど」はかなりずるい表現だ。本当はちゃんと考えているのなら、伝わる言葉を探せばいいわけだし、ただフリをしているごまかし以外の何物でもないと思ったのだ。イタイ。
それにしても、自分が言葉を大事に選んでいるだろうか?と改めて思う。コミュニケーションに関わる仕事をする者として、今一度福岡博士の言葉を胸に刻みたいと思った。