2011年5月14日

ゴールデンウイークの後半、私は日光に出かけてきた。修学旅行はすべて親の強い希望でキャンセルされ、日光の観光客は例年の95%ダウンで困ってる、という話を聞き、では行きましょう!とすぐに家族と計画を立てたのが4月上旬のことだ。連休直前には、「直前の駆け込みが増えて日光は混雑している」という報道があり、少々不安を抱いて向かったのだが、現実はやはりガラガラだった。何より大型バスをまったく見ない。団体客が全然いないということだ。東照宮なども連休最後の土曜日なのに人は少なく、想像はしていたが外国人は本当に少なかった。観光産業に関わる人たちは本当に大変だろうと改めて感じた。

連休が明け、仕事も通常モードに入った。
自粛モードも少しづつ消え、経済を動かそうという社会の流れになってきた。
私は来週、今までの仕事の流れで、東北三陸に行ってこようと計画中だ。実は復興関係業者以外は宿泊がままならず、2か月たってようやく移動中の一人分の宿が確保できそうだからだ。
水産関係の今までに取材したところ、お世話になったところを回ってくる予定だ。時間的な制約があるのですべてというわけにはいかないが、現在進行中の仕事についてはその相談もしてこようと思っている。大きく被災して完全ストップしているところなどは既にニュースでもよく出てきているし、行くにあたって連絡するも未だ連絡がつかないところもある。それでも連絡がついているところから、「今は大変だが、例え2年かかっても3年かかっても必ず復旧させるから見ていてほしい」と言われる。水産物の工場が流され、本社社屋も被災し、保管していた数億円分の原材料もダメになったようなところの言葉だ。また、「厳しい風景を目にしてトラウマにならないか、あなたの将来が心配だ。来るなら気持ちを強く持って。」とこちらを気遣ってくれる人もいらっしゃる。お見舞いと今後の相談に行くはずが、逆にそういう言葉をもらって、力をもらうのはむしろ私の方だ。
震災後の復旧・復興は、遠い道のりで長い時間がかかる。私に何ができるだろうと思い、考えても何もできない自分の無力さを今まで情けなく思ってきた。けれども、被災者の方の「見ていて」という言葉をもらい、ハッとした。私は、見ていることならできる。しかも、見ていることでこちらも力をもらう。ともに頑張れるような、そういう形で継続していけたらいいな、と思いながら行ってこようと思います。