昨年12月に東証マザースに上場した株式会社リブセンス。
社長が25歳と上場会社史上最年少ということで、1月にはNHKのニュース生出演もあり、大きな話題になった。
話題の村上太一社長は、結果的に大金持ちになったわけだが、特に生活が変わることもなく、小さなワンルームの自宅には冷蔵庫もない。
仕事環境がそのまま自宅にもあり、会社のデスクと自宅はなんら変わらない。
村上社長は、「仕事が生活のすべてである」と、出演したテレビでさらりと語っている。
が、私が注目するのは、彼の業績や言動ではなく、
このニュースを見て「私も見習わないと行けないな…。」と
ブログで書いたいた人がいたことだ。
もちろん、リブセンスの村上社長はすごいな!と、私も思う。
羽振りがよくなることもなく、生活に変わりもなく、謙虚で気負うところがない。
この若さでこれからが楽しみだと思うし、こういう人たちがこれからの日本を引っ張って行くことに大いに期待したいと思う。
けれども、「『仕事が生活のすべて』であることを見習う」ことについては、私は少々疑問を抱いてしまうのだ。
「下山の思想」(五木寛之著・幻冬舎新書)が話題になっているように、今、仕事のしかたも新しい局面に入ってきたと思う。
「下山の思想」は、下山はあきらめるのではなく、再び上るためのプロセスであって、実りある下山をと提案している。「生きる」ための真理、幸せとは何かを書いているのであって、仕事の話が書いてあるわけではない。
私は、10年くらい前から、上昇や成長を追いかけない仕事・働き方があるはずではないかと悶々としてきた。4年半前に会社を辞めた理由の一つと言えるかもしれない。
私自身は仕事が大好きだし、生活の中で仕事の占める位置は実際大きいのだが、それでも売上・利益至上主義にはどこか疑問を感じてきた。
4年前に某大学で経営戦略を学んだことがある。自分の会社時代の経験が学問的に体系立てられ、その講座自体はとても有意義だったのだが、成長が大前提であることから始まっていることが引っかかった。成長ありきではない経営戦略はどう考えたらいいのか、何を指標にしていけばいいのか、を質問して、講師を困らせたことを思い出す。
私は、やはり今の時代だからこそ、成長や売上拡大ではない仕事の目的、働く意味、そういうものを探し続けたいと思う。「仕事が生活のすべて」ではなく、「○○のために仕事も××もある生活をする」という生き方を目指したいと思う。