2009年10月9日

農業ビジネス起業

世の中では今、農業がブームだ。
かつて、不人気だった農業は、今や自然回帰やエコブーム、安心安全志向などの追い風で、家庭菜園人気とともに、ビジネスとしても注目されている。そういう中で、農業ビジネスを進める上でアドバイスをする機会を得た。
依頼主は、親がリタイヤするのを機に地方に居を移したことがきっかけで、家族で家庭菜園をしながら畑を大きくしていったことから、農業をビジネスとして取り組んでいこうと考えたという。都会で会社員として今も働きながら、家族は地方で家庭菜園をしている。本人は農業については素人だが、家族が住む地方に週末通うようになり、不思議な現実を目にしたのがビジネス化へのきっかけだ。周辺は土壌に恵まれ、豊富な農作物が採れるものの、周囲で売られる野菜は他県産のものばかり。農産物販売所で売られるものまでが他県産なのだ。地元の農作物は農協に出しても大した収入にならないので、作った農産物は自家用が中心で、消費しきれないものは廃棄している。当然、農業の担い手は高齢化しつつあり、耕作放棄地も増えつつある。このおかしな現実を変えたい、というのがビジネス志向の始まりだったという。耕作地を守り、農業という産業を守るために、せっかくできた農作物を廃棄することなく地元で消費できるシステム作りをしたいというわけだ。
かつて、農業の活性化や地域活性化策を手がけてきた私にとっては、これは大いに興味深い話だ。何よりも、まず素人の会社員の発想から始まったこと、そして素人ゆえにが何の試算も持たなかったことが、さらに私に火をつける。その歩は、ゆっくりゆっくりになるだろうが、日本を元気にするためのチカラになることは間違いないだろう。いずれこのBlogでも、その経過を紹介していきたいと思う。