東日本大震災の日だ。
今日の14時46分、私はミーティング中だったのだが、どうしてもこの時間は忘れたくなくて、携帯にアラームセットしていた。
14時46分、ミーティングを中断し、しばし黙祷。
あの日、私は急ぎの仕事を抱えて都心の仕事場におり、不足した文房具を買いに出かけていた。地震があったのは、その文房具店の中だった。店内も店員もパニック状態。店の外の電線はブランコのように揺れ、宅急便のお兄さんたちが集まって右往左往していた。
ただ事じゃない空気があったのに、私は当時受けていた仕事を早く終わらせねばならない事情があり、買った文房具を手に急いで事務所に戻った。ほとんどの人がビルから飛び出し屋外で様子をうかがっている中で、私は事務所に入り、余震を感じながらPCに向かい続けたのだ。
どれだけ大きい地震だったかも、震源がどこかも知らず、ましてやその後に津波がやってきたことなど、もちろん知らなかった。
その時携わっていた仕事が、書籍「からだにおいしい 魚の便利帳 全国お魚マップ」。
日本全国の魚関係の市場やお祭り、イベント、郷土料理などを紹介するページを担当しており、私は多くの水産関係者の方々のお世話になった。もちろん、東北地方の方々も。
5月連休明けに少し落ち着いただろうかと思い、私は一人で仙台からレンタカーを借り、お世話になった水産業界の方々を訪ねた。震災から2ヶ月が経ったとは言え、海沿いはまだ瓦礫だらけだった。運転しながら心細くなったり、何もない景色に動揺したり・・・。
私に何ができるだろう・・・? そう思った時、現地の人から言われた言葉が、
「覚えていてほしい。我々を忘れないで。」
「覚えている人がいる。それだけで、我々は頑張れる。」
「時々思い出して、どうしているかなと思ってほしい。」
あの日から3年。
はい、私は覚えています。
お元気ですか?どうしていますか?・・・
14時46分は、そんなことを思いながらの黙祷だった。
この日を決して忘れてはいけない。