2010年4月2日

入社式

昨日、4月1日は、各社で新入社員の入社式があった。昨夜や今朝のニュースでも、悲喜こもごもの入社式が報道されている。
リーマンショック以来の景気悪化で、就職しようという学生たちは大被害を受けている。4月直前まで就職先が決まらない人、数十~100社にトライしてNGをもらい続けた人・・・。
私の頃は、就職は売り手市場ではなかったが、氷河期でもなかった。10社以上受ける人はそうはいなくて、就職のための準備や勉強などはしないまま、学校や教授の推薦で入社する人も少なくなかった。私自身も、就職前に勉強することもなかったし、入社した頃には社会のことを何もわかっていなかった。
入社後のヒヨコ時代にバブル経済絶頂期を垣間見ていた。当時、上司や先輩は自信に充ち溢れていた。働けば働くほど売上が上がり、それを横目で見ていた私は、一生懸命頑張れば必ず報われるような気がしていた。大した働きもなく、ほとんど会社の役にも立ってなどいないのに、とりあえず頑張った私に対して、先輩は会社帰りに頻繁にご馳走してくれたものだ。
今の若者は、どうなんだろう。ゆとり教育後に訪れる異常な競争。多くの若者は、会社に入る前に何度も何度も各社から「あなたはいりません」とNGをくらい、自己嫌悪の塊のようになってから入社する。一方で一部の若者はいくつもの内定をもらって取捨選択して入社するのだから、自信満々(過信?)でエリート意識に溢れて入社するのだ。
彼ら、彼女らにとっての将来はどう見えるのだろう。社会に出る前に疲れきって、入社したら気が抜けてしまいはしないだろうか。希望を持って働くことができるだろうか。仕事の上で勝負に出ようと思えるようになるだろうか。
意味もわからず希望にあふれていた自分自身の昔を思うと、今の若者はとても気の毒だと思う。
いずれ、そういう人たちが中心となって日本経済を動かす時期がやってくる。そういう10~20年後、日本はどうなっているのだろう。
そんなことをと思うのは、私自身が単に年をとったということなのだろうか。かつて私の大先輩たちも私たちに対してそんなことを思っていただろうか? いや、そんなことはないだろう。やはり、若者が未来に希望を持てるような社会でなければ、若者自身も日本も成長できないはずだ。
だから、やはり今の若者はかわいそうだと思う。