2015年6月8日

地域の高齢者コミュニティに初めて参加する人は、本当は渋々・・・?!  でも、来れば皆さん意外に楽しそう。私も力をもらえます。

地域の高齢者が集まる場に、去年から時々うかがうようにしている。
社協(社会福祉協議会)が月に1回開催する場だ。

毎月自宅に来る回覧板の中にお知らせが入っていた。
皆さんお気軽にどうぞ、と。
でも、なかなか行けるものじゃないだろう・・・
そう思いながら、眺めていた。

我が家が今の場所に住んで約15年。
マンション住まいではないので、向こう3軒両隣くらいのおつきあいはあるが、
それでも地域のことをよく知ってるとはとても言えない。
子どももいないし、私はずっと外で働いてきたことも、おそらく影響しているのだろう。

会社勤めが長い男性は、定年退職後地域デビューができないという話はよく耳にするけれど、男だけじゃない。
私自身も他人事ではない。

いつかは地域に・・・そんな思いを抱き、時間も少しできたし、勇気を持って(笑)
地域の高齢者が集まる場に行ってみたのが、今から約1年前だった。
やってくるのは、70代、80代、90代・・・・ほとんどが女性だ。
そして皆、とってもお元気。
60代の女性たちがスタッフとして運営している。
スタッフには民生委員をやっている方も多い。

初めて行った時、私は見学目的の参加者だったけれど、
いざ行ってみたら、私と同世代の人は一人もおらず、私がかなり浮いていた。
高齢者のつまりなんだから、当然といえば当然。

すぐにリーダー格の人から、よかったら手伝わないかと声をかけられ、
それ以来、時間がある時に時々顔を出している。

それは、地域に暮らす高齢者のための場であるだけでなく、
高齢者の様子を地域が把握する場にもなっていた。

近隣の高齢者同士が互いの顔を知る。
元気かどうかを確認する。

特に一人暮らしの高齢者が増えてきた今の時代、
社協として個別に訪問するだけでなく高齢者が自らこういう場に来てもらうことで
地域で支えていこうという取り組みなのである。
目指すのは、住みやすい地域、安心な地域だ。

月1回のその場では、簡単なストレッチや体操をしたり、おしゃべりをしたり、
難しい漢字の読み方クイズや頭の体操をしたり、
トランプなどのカードゲームをしたり、歌を歌ったり・・・・

約2時間の間で、毎回スタッフが趣向を凝らし、いろいろなことをする。

参加者の中には、これをきっかけに親しくなったお仲間もあるようだし、
月に1度会うことで近況報告をし合う方々もいる。

それに加えて毎回、初参加の方が1~2名いらっしゃる。
ほとんどが、社協や民生委員、近所の人、家に出入りするケアマネジャー等々
の勧めでやってくる方々だ。
そういう方々は皆さん同様に
「再三言われて渋々来た」
「前から知ってたけど、あまり気が進まなかった」
とおっしゃる。
皆さん、行きたくて行きたくて楽しみにしてやっと来る、というわけではないのだ。
だけど、いざ参加してみると
「意外に楽しくて」
「いざという時に安心だから」
「いろいろ気にしてくれてありがたい」
と時々顔を出すようになり、元気であれば毎月来るようになる方が多い。

先日も初めて参加した人がおっしゃった。

今年の12月に80歳になります。
会社を辞めて悠悠自適生活を15年してきた。
まだ行かなくてもいい、80歳になってから行こうと思っていて
あと半年あるけど、オススメもあったので来ました (79歳男性)

ずっと教員をやっていました。
随分前から昔の生徒の保護者からのススメがあったけれど、どうも気が進まなかった。
でも、せっかく声をかけてくれるのに失礼だし・・・ (70代 女性)

気持ちは少しわかる気がする。
見学目的だった私ですら、ちょっと見に行くだけなのにすごく勇気が必要だった。
あまりよく知らない人たちの中に飛び込んでいく、
何をやっているのかわからないところに行く、というのは
どんな人でも腰が引けるものであろう。

ましてや、高齢者のための会に誘われる、何度も誘われ続けるのだから、
自分が心配される側に入ったことを感じるだろう。
年齢は頭ではわかっていても、
それを自分でしっかり認めざるを得ない状況に置かれることになるのだから、
気が進まないのも仕方がない。

世の中で高齢者コミュニティの重要性が叫ばれながらも、
そういうものがあまり広がっていかないのは、こういう気の進まない感じ、
イメージがあるからだと思う。

最初から行きたくなるような仕掛け、イメージづくり、ムードメイクは
とても大事な気がする。

それでも、何回か参加するうちに、
元気をもらったり楽しい話が聞けたりすることが、あるのではないだろうか。
私は自分自身が高齢者として参加しているわけではないが、
それでもお茶を飲み、お菓子を食べながら、
大先輩たちのお話を聞く時間は楽しい。お話を聞いて元気をもらえる。

Yさんは、
90歳を超えてからボケ防止のために何かやろうと思い、麻雀を始めた
のだそうだ。
ルールを覚えるのにはちょっと時間がかかったけど、
定期的にやるようになっていったと言う。
だけど、1回に3,000円、5,000円とかかるようでは、
毎日楽しむには少し無理がある。
そこで安く遊べるところをいろいろ探し、
見つかった場所は少し遠いけどそこまで歩いていき・・・、
~そんな話を聞いたのは半年前のことだった。

「その後、麻雀はいかがですか?」と、先日行った時にYさんに声をかけたら、
あぁ、もう麻雀やめたのよ」とあっさりとおっしゃった。
え?!

麻雀は楽しいけど、時間がかかって・・・
たまにやるのはいいだろうけど、時間がもったいなくて・・・・
その分、もっといろいろなことができるんじゃないかと思ってやめたの。
やりたいことをし損ねちゃうでしょ。
もったいないじゃない?

そう話したYさんは、今、御年94歳。
背筋がピンとして、何事もテキパキとして、口調も早くてハッキリ。
Yさんは麻雀をやめた時間で、もっともっとやりたいことをしているのだ。
いったい何をしておられるのだろう。

こういう話を聞くと、私は本当に怠け者だと思う。

この時間で、もっといろいろなことができる・・・
やりたいことをし損ねたらもったいない・・・

そういう気持ちをずっと持ち続けていられたら、なんと素敵なことだろう。
私が90歳を超えたとき、そういう気持ちを持ち続けていられるだろうか。

素敵な大先輩に会えるのは楽しい。
自分のヒヨッコさに笑ってしまうと同時に、希望に満ちた気持ちで。
「オイ、もっとガンバレ!」と自分に対して言いたくなる。

今度Yさんに会ったら、麻雀をやめた時間で何をしているのかを聞いてみよう。
益々、私は希望をもらえそうな気がする。






 6月10日 生きざまと顔の関係 自分の顔について考える。



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