これは、80代の母が80代の叔母に宛てて打ったメールの結びの言葉だ。
私の父は80代後半。母は今年80代に突入したので、二人とも80代になった
父は5人兄弟(姉妹)で、定期的に「きょうだい会」と称して、
兄弟姉妹とその連れ合いが集っていた。
皆、現役を退き、子どもたちもほぼ独立し、時間的には余裕があり、
しかも長寿家系なのか兄弟姉妹が全員元気なので、年に1回の恒例行事となった。
年老いた夫婦が各々連れだって、各々が自宅から公共交通機関を使って1~2時間かけて都心に集まり、おいしいものを食べながらの近況報告のおしゃべりだ(ったらしい)。
父は長男なので、この行事への思い入れが強かった。
けれどもさすがに高齢になり、ここ5年くらいは途絶えがちだった(ようだ)。
それが、どんなきっかけがあったのかは知らないが、
数年ぶりに父の妹夫婦(私にとっては叔母夫婦)が我が家を訪ねてきた。
両親はその日をとても楽しみにしていたので、
翌日私はその話を聞こうかと、両親に電話をかけてみた。
数年前の若々しく元気だった頃の記憶が強かったせいか、
父は叔父の年老いた様子に衝撃を受けていた。
叔父は、父と同世代だ。
足元がふらつき、歩くスピードが遅くなったことに自分の老いを感じ、イラついていた父だったが、叔父の様子を見て、自分だけじゃないことをまざまざと知る機会になったようだ。
叔父も80歳を超え、父よりも歩くスピードが遅くなり、フラフラと転びそうになりながら注意深く歩いていた、と言う。
叔母夫婦の家は神奈川県。
電車とバスを乗り継いで、両親宅においでになった。
「いやいや、乗り換えが大変でしたよ。」と叔父が笑って語ったそうだが、
我が家では、父はもはや電車で遠出は困難と、本人も私たち家族も考えていただけに、
その心意気に頭が下がる。
ちょっと会わないうちにこんなにも老いるなんて・・・・・!
人にもよるだろうが、80代の5年間の変化は、目に見えて明らかだったようだ。
叔母夫婦の様子は、私の両親を大いに驚かせたようだが、
おそらく叔母夫婦も、私の両親を見て同じように感じたのではないかと思う。
母は叔母に「よく来てくださった」という御礼の気持ちをメールで送ったばかりだと言った。
「どんなメールを送ったの?」と聞いたら、母は読み上げた。
そのメールの結びの言葉が、冒頭の一文である。
未知の未来が待っているようですが、逆らわず落ち着いて対処していきたいものです。
想像もしない老い、あるいは予想外の元気さ・・・
すべて未知の未来である。
母としては、
どんな未来かはわからないけれど、
逆らわず、「なるようになる」「ケセラケセラ」で行きたいものだ、と思っていたことを
娘の私は知ることになった。
母は、いろいろなことに思い悩み、キリキリイライラする質で周りを困らせるところがある。
が、母自身がそう思っていると知ることで、多少は受け入れられそうである(苦笑)。
私にもそのDNAが受け継がれているのだろうし、老いというのはそういうことなのかもしれない。
未知の未来に、逆らわず、落ち着いて。
未来をデザインする、夢を描く、目標を設定する、・・・・そういうことが声高に叫ばれる今の時代に、母の言葉は、私にとって新鮮に感じられた。
「マイナンバー制度って、つまりどうなる? 大丈夫? いいことある?」
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