2015年7月13日

もしも今、離れて暮らす親が認知症と診断されたとしたら?

離れて暮らす親が認知症と診断された。どうしよう?!

最近、実際にそういう場面に直面した方から相談を受ける機会が増えた。


著名芸能人が認知症だと公表される、著名芸能人が認知症家族の介護を告白する、NHKが認知症キャンペーンを行う・・・

超高齢化社会を迎えるという報道のおかげで、もはや「認知症」という言葉を知らない人はいない。

自分の物忘れが度重なると、自分が認知症になってしまったのかしらとビクビクする。それは認知症になったらどうしようと思っているから。いつのまにか私たちは認知症が怖いと思って知らず知らすにドキドキしている。

認知症とはどういう病気なのか、私たちはいったい何を知っているのだろう。なぜ怖いものと思っているんだろう?

 認知症にはいろんな種類がある。 頭をぶつけて脳に血液が溜まって認知症のような症状になるタイプもあるが、  それなら手術で血液を取り除けば治ることもある。 実は認知症の症状というのは、 誰にでも共通する中核症状と、必ずしも出るかどうかは人による周辺症状がある。 イメージしがちな暴言・暴力や徘徊、食行動異常などは周辺症状だ。

・・・ケアマネージャーで介護支援専門員でもある人の話を聞くと、自分がイメージ先行で怖いと思いこんでいることに、改めて気づくのだ。経済的にも精神的にも厳しい雰囲気や、暴言・暴力や徘徊、行動異常などの映像は、テレビ的にセンセーショナルだし、見る側にとっても印象に残りやすいのだ。でもそれは中核症状ではなく、周辺症状だ。つまり誰もがそうなるわけではない。

まだ何もないのに「怖い」のは「知らない」から、だ。どういう病気なのか。そうなったら、どんな助けがあるのか。その助けが欲しければどうしたらいいのか。そういうこと一つ一つを、ほとんどの人が介護などに直面するまで知らない。

地方に親が離れて暮らしているという40代男性(会社員)が母親が認知症と診断を受け、すぐに会社を辞めて故郷に帰らねばと相談に来たケース。その母親がどんな種類の認知症なのか、どこでそれがわかったのか、どうやってわかったのか、今のカラダの状態など、40代男性(会社員)は、オロオロしているわりには何も知らなかったという。そのお母さんについてさらに聞けば、4点杖を使って外出しているご様子だ。

それなら、介護保険を利用していることはほぼ間違いないでしょう。

介護保険を使ってれば、ケアマネが介在している。この場合にやるべきことは、退職することよりもケアマネと連絡をとることだ。家族が離れて暮らすことは少なくないので、ケアマネは、離れた家族からの連絡にも慣れている。離れた家族からの「助けて」に、提案をくれることもある。どこに「助けて」と言えばいいかがわかれば、少しだけど安心が増える。
そういう一つ一つの積み重ねを大事にしていきたい。

私が去年の4月から始めたエンディングノート講座

エンディングノートの中身は人生を考えることそのものなので、
エンディングノートを使って自分の人生を考えてみる。
親のことを考えてみる。

「老いじたく」ではなく「どう生きるかを考える」ための講座である。
毎回エンディングノートの項目をテーマに設定し、実際に考えたり書いたりして進めて行く継続講座だ。

もしも今、親(配偶者)が認知症と診断されたとしたら?

これが継続講座の今月のテーマだった。
のテーマに、参加者の一人は「途方にくれる」と答えた。

今回講座では、ケアマネで介護支援相談員の人を講師に招き、話を聞かせてもらった。

テレビは怖いことばかり言うからね~、見せるからね~

そう笑いながら、講師は日々直面する事例をもとに、いろんなケースを話し出した。参加者からの次々と出る質問の嵐に、ニコニコしながら答えてくれて、最後に言った言葉がこれ↓

できることしかできない。
でも当事者の気持ちをわかろうとすることが大事。

講師の最後の言葉に、参加者誰もがホッとし、力をもらえたに違いない。