2015年3月31日

益田由美さん、定年退職「できる仕事を作ったんです」

私たち世代ではほぼお馴染みだったフジテレビの女子アナ、益田由美さん。
このたび定年退職したそうで、新聞の「ひと」欄に紹介されていた。



もともと声が低くゆっくり話すために葬儀中継しかできなかったという。
けれど私のイメージは真逆で、
面白くて明るくて、素のまま飾らない人だった。
「なるほど!ザ・ワールド」リポーターのイメージが強いせいかもしれないが、
その後の彼女は自分がやりたい番組で次々と自声を出していたことは知らなかった。

普通のアナができることができない。だから、出来る仕事を作ったんです。

ゆっくり話す低い声は葬儀中継に向く声、という個性、強みにもなる。
まわりから見ていくら強みに見えたとしても、
それが本人にとってあまり望んでないことならば、望む形を作る。
仕事でも暮らしでも。
やりたいことを探しながら。

やりたいことなんて、そう簡単に見つかりはしないのだけど、
長く生きてれば誰だって、
ワクワクすることや心地よいこと、大変だけどやらずにはおれないことなど、
きっとある。
それを堂々と言えるかどうかは別にして。

フジテレビでは初めて、女子アナのまま定年退職だという。
女子で初定年退職というわけではないけれど、
それでもずっと女子アナでい続けることが難しいであろうことをうかがわせた。
益田由美さんもきっと、今まで相当無理したりがんばったりしながら、
「今」を手に入れたに違いない。

自分自身をふり返ると、
50歳目前で会社を辞めたとき、
「定年までいるのかと思ったのに。」と、多くの人から言われたものだ。

私が退職したのは、家庭の事情があったわけではなく、
会社や仕事が嫌なわけでもなかった。
もちろん、それなりにいろいろ考えた末の結論で後悔などしてはいないけれど
「会社の中で自分の強みを生かしながら、やりたいことを探しながら、できることを作る」
という努力は、しっかりしてはこなかったなあと、この記事で思い返した。

本屋さんに行けば、
好きな仕事をすること、夢を追いかけること、を勧めるものがたくさんある。
それを私は否定はしないけれど、会社の中ではそれができない、とは限らない。
会社員だからこその恩恵や、継続しているからこその力など、
勤務しているとそういういいことをついつい見落としがちだ。

自分がやりたいことを手に入れるのは、そう簡単なことじゃない。
だけど、苦しいことを越えながら手に入れるから、きっと満足できる。
最後にやってよかった、と思えるかどうか・・・だ。

会社にいても(会社を移っても)、会社を辞めても、「できる仕事を作る」。
しかもこの「仕事」とは、例えば家を守るとか、子どもを育てるとか、そういうことも含めて、だ。

益田由美さん、お疲れ様でした。
これからの益田由美さんに期待したい。



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