2015年1月9日

好きなことで生きていく その2 会社視点で。

好きなことで生きていく。
好きなことを仕事にしよう。

しばしばそう言われる今の時代については、やや疑問に感じることもあって書いたことがある。
そうなれればたしかに幸せだろうけど、なかなかそうなれるもんじゃないだろう。

だけど、少しでもそういう方向に近づければ、きっとパフォーマンスが上がる。
そうなれば誰だって、本来以上の力を発揮できるはず。
人は、やりたいことであれば楽しんでできるから。
楽しいから熱中する。
多少つらくても頑張れる。

でも、やりたくないことは大した苦難がなくても、そもそもやること自体がイヤなんだから、そりゃあ、頑張れって言われたって、そんなのは聞いているふりだけ、右から左。
テキトーにやるに決まってる。

だから、働くなら少しでも好きなことに近づけられるような仕事をした方がいい。
企業側も、従業員に好きなことをさせていく方が業績アップへの道だ。
その方が従業員が頑張ってイキイキと働くんだから。

会社員時代、定期的な目標管理の面接の際に私は、
「好きな仕事だけをしたいというのか?!」と上司を怒らせたことがある。
今から15年くらい前のことだ。
それは楽をしたい、という意味ではなく、自分が好きな仕事を徹底的にやりたいという意味ではあったのだが、そうすると当時持っていた仕事全部はできなくなる。
当時の社会から見れば、「好きな仕事をしたい」というのは、かなり無茶、無謀な主張だった。

今でも、会社の中で好きなことをしたいと言うのは、意外に難しいことかもしれない。
だけど、従業員一人一人が、少しでも好きなことに近づいていける実感が持てれば、それぞれのパフォーマンスは上がるはずだ、という思いは変わらない。
企業は、そうやってもっともっと「人」を生かしていったほうがいいと私は考えている。

最近よく言われる「好きなことで生きていく」書籍や講座や塾は、個人から見た視点で語っていることが多い。
会社にぶら下がらず、個人で好きなことをして生きていこう、と。
そりゃあ、そうできればいいかもしれないが、誰もがそうできるわけじゃない。
なかなかそうできない人が多いという現実がある。

私は、会社こそがそういう視点で「人」を生かしていけばいいのに、と思う。
それは、私自身が「会社が好き」「仕事が好き」と思っていたから25年も同じ会社でワクワク働き続けてこられた、それなりの成果を上げて働いてこられた、と実感しているからだ。

生活を考えれば、会社から離れたくてもそう簡単に会社をやめられない人は多いだろう。
会社だって、社員たちにいかに働いてもらうかが課題だ。
充実感を持って働いてもらった方が、会社の風土も従業員の雰囲気もいいに決まっている。

本来、そういう視点で働く思いを支援をするのは上司の役割なのかもしれない。
しかし今はプレイングマネージャーが多く、肝心の上司は責任範囲も広くて、なかなかそういう視点で部下を見られなくなっているように思う。

企業は、特に経営者には、従業員が会社の中で「好きなことで生きて」いけるようにする智恵を絞ってほしいと思う。


従業員が会社の仕事の中に「好き」を探し、「好き」を見つけて働いていければ、きっと従業員のモチベーションは上がるはずだ。
たとえ「好き」が見つからなくても、将来の「好き」につながりそうな実感を持てれば、気持ちは変わる。

それが企業の業績につながるはずだ。
これからの時代は、そういう会社がどんどん強くなると思う。




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