2015年1月8日

「下流」の人は、人とつきあわないことが判明した?!

毎日新聞が去年のクリスマスイブに発表したこの記事は、私にとっては衝撃だった。

日本の世論2014:「下流」の人は他人と関わらない傾向 (毎日新聞)
http://mainichi.jp/feature/news/20141223mog00m040012000c.html

毎日新聞社と埼玉大社会調査研究センターが実施した世論調査「日本の世論2014」である。

貧困と人間関係の貧しさに相関関係ができた

と、専門家が指摘したという。
記事によれば、人とのかかわりという意味では、

 「近所づきあいのある安心感と、他人と関わらない気楽さのどちらを選びますか」との質問に、「上流」の56%、「中流」の46%が「安心感」を選んだが、「下流」は36%。五つの層で見ると、「気楽さ」を選んだのは「下の下」が40%と最も高く、最も低い「中の上」では23%だった。

とある。
自分を「下流」と思う人のほうが、人と関わる安心感より、人と関わらない気楽さを好む、ということだ。

私自身は、これからの時代は“経済力”よりも“人との関係力”が大事になると、強く感じている。
逆に言えば、お金があまりなくても、人とのつながりやおつきあいを大事にしていけば、気持ちが豊かでいられる、と考えている。
ところが、下流(経済的に貧しい)の人は他人と関わらないとなると、その考えを真っ向から否定されたように思え、もはやお金がなくては気持ちも豊かになれないと言われているようで絶望的な気になったのだ。

お金がないと、人と関われないのか。
上流の人でないと、人付き合いができない(しにくい)のか。


家族との関わり方においても、

 「親の面倒をみるのは子どもの務め」と思う人は「上流」で61%、「中流」は50%、「下流」は44%。

とある。

親の面倒を見ることと、家族のつながりが深いこととはイコールではないが、
お金がないから親の面倒などみられないと思うのか、
上流の人は親からお金をもらってきたから親の面倒を見なければ、と思うのか・・・。
いずれにしろ、ここに上流かどうかとの相関がある、というのは間違いない。

しかしよくよく読んでみると、いくつかの問題があった。

まず、この「上流」「中流」「下流」というのがミソ。
上流かどうかを5段階に分け、自分がどこに属するかを選んでもらって分類している。
たしかに

世帯年収「300万円未満」の人の45%が「下流」に属すると思っていた。

とあるが、これはあくまでも自己評価なので、実際の裕福度とは必ずしも一致しない。

私は、自分自身のことを、上流か下流かなど考えたこともなかったが、仮に自分でその分類をする時というのは、自分が自分をどう評価しているのかという気持ちの要素が大きいのではないかと思う。
だからどこに分類されるかというのも、同じ人でもその時々によって変わるのではないかと思う。

例えば、社会一般から見れば経済的に裕福だとしても、本人が不本意に感じていれば、自分を5段階評価で「上の上」にはしないだろう。
また、年収等、経済的にはかなり厳しそうであったとしても、自己評価が高い人だってきっといるに違いない。

人との関わりを大事にするかどうかは、今の自分に満足できているかどうかではないかと私は思っている。
ある程度の経済力がないと、その自分に対する満足度をキープできない、ということなのではないか。

経済力は大事。
でもそれだけじゃない。

自分にどれだけ満足できるか。
自分に対してどれだけ肯定感を持てるか。
自分を褒めてあげられるか。

だから自分に自信を持つことが大事なのだと思うし、自分を褒めよう・褒めたいと思う人は人のことも褒められるから、結果的に人と関わりを持つようになるのではないかと思う。
親との関係性もそういうことなのかもしれない。


やはり、これからの時代は“経済力”よりも“人との関係力”が大事になる。
・・・この自論は取り下げることなく、主張したい。
そして、私自身に対しても、言い続けていこう。
自分を大事にしていこうね、と。





補足)
上記はあくまでも子育てを卒業したオトナ世代の話かもしれません。
これから子どもを生み、育てようという世代の中には、そんなきれいごとを言ったって、現実にお金がなければ子ども生むことも育てることもできない、お金がなければどうしようもないと言う人もいるでしょう。
たしかに最低限の経済力は必要なのですが、それでもお金だけのせいにせず、自分を大事にすることや自分に自信を持つ(持てるようになる)ことで変わることがあるし、さらに人との関わりで乗り越えていければ、と思います。



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