2015年1月23日

「2分の1成人式」するくらいなら、「×2成人式」「×3成人式」を。自分の人生を考えるために。

今、小学校で「2分の1成人式」が大流行とは知らなった。
これから旬の季節を迎えるのだという。

最近は、家族が多様化し、虐待が横行する今の時代に、
この「2分の1成人式」の開催は時代に逆行していると指摘し、イベント開催を見直すようのが促しているのがこちらの記事だ。

最もだと思う。
なぜ「2分の1成人式」なのだろう。
子どもは親への感謝を語り、親子の愛情を確認し合うイベントなのだそうだが、
親子にもいろんな親子がある。
円満な家庭ばかりではない。

そんなお仕着せの「2分の1成人式」よりもむしろ、私は「×2成人式」「×3成人式」をオススメしたい。

企業が終身雇用を前提とした経営ができない時代になり、
個人も一つの会社に働き続ける人がどんどん減り、
どんなに大きな会社でも、勤務先など頼りにならない今の時代、。

「×2成人式」の40歳は、自分の将来、自分の適正、好きなことが何かがまだよくわからなかった20歳の時から、さらに20年後にあたる。
自分を見つめ直すのにはとても良い時期だと思う。
しかも今の時代だからこそ、これからどうやって生きていくのかを考えるのにも、絶好な機会になると思うのだが、いかがだろうか。

日本人の平均寿命はものすごく伸びた。
男も女も80歳を超えた。
「×2成人式」の40歳は、まだ半分なのだ。

40歳は、学校だけでなく社会経験を経ている。
嬉しいことや悲しいことを経験し、充実感を得たり、苦難を立ち向かったり、そういうことをいくつか乗り越えてきたはずだ。
得意なことや自分の志向がはっきりしてきた40歳。

ここでどれだけ自分と向き合うか。
それが60歳、70歳、現役リタイア後の生き方にも大きくかかわっていくような気がするのだ。

その少し上の世代でもある私は、自分が40歳の頃、バブルはとっくに崩壊していたけれど、時代の変化を感じながらも、それが自分の問題とは考えられなかった。
時代の変化も、ここまでの変化であるとは気づかないままに時を過ごしてしまったような気がする。
いや、時代は変わりそうだ、と思いながらも、自分とは向き合ってこなかったのだ。

この世代はちょうど、キャリア教育を受けることなくここまで生きてきてた。
そういう考え方に慣れていない世代とも言える。

そんな私が自分の人生を改めて考えようと思い始めたのは、「×2成人式」をずいぶん超えてから。
もう少し早くから考えればよかった、と思った。
考えれば考えるほど、これからどうしたらいいかわからなくなった。
やっぱりこれが大事だと確信することもあった。
そんなこんなを繰り返しながら、今、自らの10年後、20年後を考える。

私の周りを見回しても、自分の仕事、生き方や働き方について、流されることなくしっかり考えるようになるのに、40歳を超えて、という人が多いように思う。

そう、「×2成人式」は自分の人生を考えるのにいいタイミングなのだ。
考えてみると、もう少ししたら私に「×3成人式」のタイミングがやってくる。

20年の節目というのは、人生を考えるタイミングとして、なかなかいい時ではないだろうか。
ハタチの時と違い、頼っていたはずの親もみるみる弱ってくる。
親の変化を感じ、親の人生に自分の人生を重ね合わせるにもいい節目だ。

「×2成人式」、「×3成人式」・・・。
私のオススメは、このとき、エンディングノートに接すること。

エンディングノートというと、高齢者のためのもの、老いじたく、死ぬ準備、・・・そう思う人が多いけれど、とんでもない。
子どもの頃のことをふり返ってみたり、改めて家系図を書いてみたり、といろいろなページがある。
言わば、人生ノートだ。

結構いろんな種類がある。
例えば下記は、明らかに若年層を意識して作られたものだ。

 あした死んでも後悔しないためのノート
 


 私の家族ノート



 未来に残すエンディングノート



書かなくたっていい。見るだけでもいい。

例えば、「×2成人式」の時は親のことを考えながら。
もし親が書くとしたら、どんなことを書くだろうと。
実は親のことを意外と知らないと思うことも多いのではないか。
戦後の高度経済成長時代のことなど、もっともっと親に聞いてみたくなるに違いない。

そして「×3成人式」の時は自分のことを考えながら。

二十歳の成人式の後にやってくる「×2成人式」、「×3成人式」は、人生を考える絶好のタイミング。
愛情のお仕着せの「2分の1成人式」よりもよっぽど意味があると思うのだが、いかがだろうか。