2015年2月22日

111歳で本を出版! 素敵な人生の先輩の存在は元気が出る。

若かった頃、先輩を見ていつかはああいうふうになりたいと思ったものだ。
目標になる人がいると、自分の将来像が描きやすくなる。

けれど、自分が少しづつ年を重ねていくと、だんだんそういう人が減っていく。

私の場合、会社に就職したのは雇用機会均等法前。
一般的には女性は腰かけと言われ、
結婚でやめる寿(コトブキ)退社がは憧れの的でもあった。
私が就職した会社は、そういう時代に珍しく男女のお給料が同額だったのだが、
それでも私が29歳になった時点で私は女子社員の最年長になった。

それから約20年間、私はその会社にいて、ずっと最年長女子社員だった。

仕事の目標、仕事上のロールモデルは日常的に考えられたとしても、
働き方、スタイルとなると、私は将来像が描きにくかった気がする。
結婚、子ども、仕事、・・・・
オンナが生きるのは何かと大変だなと思う場面が多々あったように思うけれど、
自分のロールモデルになるような人は、私の周りにはあまりいなかった。

そのうち、仕事上の目標だった男性の先輩諸氏もだんだん元気がなくなってきた。
気づくと、オンナのロールモデルはおろか、仕事上のロールモデルすら描きにくなっていったのだ。

だから私には、いつもなんとなく成り行きで生きてきたような反省がある。



 あの人のようなオシャレをしたい。
 あの人のような考え方が素敵。
 あの人のような身のこなしをしたい。
 あの人のような暮らし方をしたい。

マネっ子なんて・・・と言う人もいるし、
オリジナリティが大切だと言う人もいるけれど、
そういうモデルがあると、自分がどうしたいかを考えやすい。
目指したい人がいれば、希望が持てる。励みにもなる。

今の世の中は、どうも「年寄りはジャマ」みたいな空気がある。

 年をとったんだから引っ込んでろ。
 税金の無駄遣い。
 若者に道を譲れ。

多少はわからなくもないけれど、
そんな風潮が強くなると年齢を重ねることに夢も希望も持てなくなる。

いろんな先輩がいて、
この人のこんな風な働き方、生き方が素敵!って思えるような人がたくさんいる・・・・
そういう社会であればいいのに。

73歳から油絵をはじめ、111歳で本を出版した後藤はつのさん。
今年の年賀状には800通に自筆で名前と一言を書いたそうだ。

朝日新聞 2月15日の記事だ。


この記事にどれくらいの人が元気をもらったこととだろう。

もう無理かも、どうせ・・・、諦めちゃおうかな、と弱気になっていた私も、
もっともっといろんなことができそうな気がしてくる。
後藤はつのさんの生き方を知ることで、私の未来が輝いてくる。
希望が大きくなる。
自分よりも年上の人が、自分の理想に近い生き方をしているのを知ると
元気が出る。
未来が楽しみになる。
未来に向けて頑張ろうと思える。

素敵な人生の先輩が増えれば、元気が出る人が増えていく。
年長者の生き方、生きざまは、影響力がある。

人生の終わりのために書くものと思われがちなエンディングノートだが、
本来、エンディングノートとは明るい未来を考えるためのものだ。
自分の人生を再確認するために。

素敵な人生の先輩を見ながら、エンディングノートに向き合う。
・・・そんなふうに、もっと自分らしく生きるために活用したいものだ。
自分が何を大事にして生きているのかを考える上でも、いい道具になる。

自分より下の世代に影響力を与えるためにも。