2015年2月25日

アホらしいけど、思い込みで恐怖感が膨らんでしまうことがある。


学生時代、数名の友達との楽しいお泊りのとき、
突然一人の友人がしくしく泣き出した。
「私、白血病だと思う。死んじゃうの・・・・・。」

昔々、山口百恵が主演した大人気ドラマの赤いシリーズを
覚えている人はいるだろうか。
それは誰もが見ている不治の病いに侵されるドラマで、
高視聴率を稼いでいた。
しくしく泣き出した友人は、知らないうちに足に痣ができたそうで、
自分の状況がそのドラマと同じだと言うのだ。
それを聞いた私たちは大笑いだったが、本人は大まじめ。
その後、知らないうちに痣も消え、何事もなく終わった。


日頃の運動不足解消のために私が通うスポーツクラブには、
私よりもはるかに元気で筋力も強い
60代、70代の先輩諸氏がたくさん来ている。

クラブのトレーナー(サーキットコーチ)は、
私たちメンバーの名前を呼び「○○さん、こんにちは」と声をかける。
インカムをつけたまま声をかけると、その声はスピーカーを通して流れる。
かけられる声は、スピーカーから聞こえるのだ。
そうすると、声をかけてくれても声をかけた人がどこにいるのか、
一瞬わからなくなることもある。

その日、特に元気な70歳前後と思しき女性が、
トレーナー(サーキットコーチ)から、「○○さん、こんにちは」と名前を呼ばれて声をかけられたときのことだ。

「どこ?どこ?」
その女性は、挨拶を返そうとしたのだが、
その声がどこからかけられたのかがわからず、しばらくキョロキョロした。

スピーカーから声が聞こえるから、どこにいるのかわからなくなりますね~
・・・近くにいた私がそう答えたら、
「あ~、びっくりした!認知症の予兆かと思った。」
と、険しい顔をした。

いえいえ、大丈夫。
私もわからなくなりますよ。
スピーカーがあそこにあるから。
・・・そう言って、スピーカの位置を指さしたら、
「あ、そういうことね。」と言って、やっと笑った。


ドラマや映画、報道で、病気の恐ろしさばかりがどんどんクローズアップされる。
そうすると、恐怖ばかりが募っていく。

私も、年齢と共に忘れ物が増えたり、人の名前をたびたび忘れたりすると、
若年性認知症になったんじゃないかと妙に心配になることがある。
心配はどんどん大きくなる。
自分の思い込みで、知らず知らずのうちに恐怖感が膨らんでいくのだ。

知識がないと、その恐怖感はますます膨らんでいく。
イメージだけに振り回されるのはアホらしい。
心配してもそれだけだとよくなることはない。
病気が心配なら検査すればいいだけ。

無駄な心配を減らすのは、正しい知識と情報。
それにもう1つ、行動だ。

それはきっと病気だけじゃない。