2015年2月9日

女っぽさをアピールしたくなるのは、少し無理しているから。

昔の同級生と久しぶりに会った。

私たちが仕事を始めたころは男女雇用機会均等法の前だったから、
まあそれなりにいろいろあった。
そのたびに、うまくかわしたり、考えたり、説得したりしながら、
ちょっと前までの4半世紀くらい、会社員をやっていた同級生だ。

今さらながら、何のために働いていたのかな・・・?
○○のために、○○が作りたくて、等々いろいろあるんだろうけど、
さて、私の場合は・・・?

仕事はそれなりに充実感があったし、やりがいもあったけど、
何のために働いていたのか、自分のことをふり返ってみると
女が働きやすい道筋づくりのために働いていたのかな・・・・?

久しぶりに会って、互いにそんな話をした。

2月7日の朝日新聞でも、
女性記者が働き続ける苦難を書いていたけれど、
まだまだ女性が働き続けるのは、乗り越えることがいっぱい。楽じゃない。

朝日新聞
報道の仕事、なぜ彼女は辞めたのか 妻となり母となり…


それでも、私たちが働き始めた頃と比べるとずいぶん変わった。
少なくともパブリックな形では女性差別は禁止なわけで、それに理解を示そうとする人は増えた。
私たち、それなりの道筋は作ってきたよね・・・、そんな思いもないわけではない。

そんな中で気になる記事をみつけた。

J-CAST 会社ウォッチ
「生足ショートパンツの女性部長」への違和感の正体

キャリア志向で、ある程度の位置に上ってきた女性が、
過剰に女らしさをアピールするファッションだというのだ。

男社会のなかで上がってきた女性の一部は、
「過剰に女らしい服装」を好むのだろう、と。

評論家の小倉千加子氏は、バブル時代に出した『女の人生すごろく』(1990、筑摩書房)で、興味深い指摘をしています。いわく、女性が男性の部下をもつと、あるジレンマに陥るというのですね。今までは「女らしさ」という、ある種の「演技」をしていればよかったのですが、管理職になると、「リーダー」として「男らしく」部下を指導しないといけないからです。

そこで、強靭なリーダーシップと「女らしさ」を両立させようと、ファッションで「女らしさ」を演出しようとする人も、いるのだそうです。平社員女子よりも、管理職女性の方が、時に女らしい格好をしているのは、こうした理由もあるのかもしれません。

果たしてそうなのかどうか、私には今一つ釈然とはしないが、
ファッションというのはどこか「記号」めいたものがある。
かつて「勝負服」という言葉があったが、ファッションで自分に役割を与えていくのだ。
「プレゼンスーツ」とか言ってたっけ(笑)。
形から入るのだ。気持ちもそれによって上げていった。

今回の記事は、その逆を感じた。
日頃、男っぽくしている自分にどこか違和感を感じながらやっているから、
自分の中で均衡を保ちたくて女性を意識したファッションで身を包む。
「私は女ですよ」と言わずにはおれないとでも言おうか。

わからなくもない。

私の場合はファッションではなかったが、自身をふり返ってみると、
ガツガツ働いているイメージに見られるようになると、
無意識に「私には女らしい面もある」と見せたくなっていたような気がする。

「意外に料理が得意」
「家庭では夫を立てるようにしている」・・・

そんなこと、会社の中で理解してもらう必要などまったくないのに、
なぜか、世間話の中で言いたくなったものだ。

それは、たぶん自分自身の「男らしい」とか「女らしい」とかの意識に
とらわれているせいで、言わずにおれなくなるのではないかと思う。
本来の自分とは違う形で自分を演出しているうちに、
振り子が大きく振れすぎてしまっているのではないかと思うのだ。

きっと、自分らしいスタイルで働いていれば、必要以上にアピールする必要がない。
でもちょっと無理してるから・・・。

女らしさをアピールしたファッションに身を包む今のバリキャリ女性たちは、
きっと今まで無理して(彼女なりに)男っぽくしてきたから、却って女っぽく見せたく
なるのかもしれない。

「男っぽい」「女っぽい」って何だろう?

それに縛られているのは本人であって、
自分の中に「本当は女はこうあるべき」という自分なりの勝手な価値観や物差しが
隠れていることも、ついアピールしたくなってしまう原因になってしまうのではないか。

社会は少しづつ変わりつつあるけれど、変わっていく途中には、いろいろな無理がある。
男とか女とか意識なく、
自然体のその人らしいバリキャリで進んでいけるようになるまでは、
もう少し時間がかかるのかもしれない。




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